A Place In The Suns

29 teams and ONE – Phoenix Suns

  • @PlaceInSuns

    • 印象論ばかりですが見直す時間もないので以上。決して調子の良くないオフェンスは粘り強く泥臭くついていっただけに、パッとしないディフェンスに対して非常にストレスの溜まる試合でした。 1 year ago
    • ディフェンスのローテが酷いのは今に始まった話ではないが、今日は普段割と堅い(気がする)PGから崩されたから非常に目についた。しかも相手がスミスとくれば、(決して悪い選手ではないが)単に研究不足を疑うところ。 1 year ago
    • ・前半の対Iスミスが酷い。此奴はドリブルからシュートできないのに、間合い詰めすぎ。抜かれてアンダーソン、AD警戒でスカスカのペイントへ。結果ファウルも嵩む。 ・対速攻も酷い。練習してる? ・Rアンダーソンは調子良すぎた。仕方ない。 ・相手の不用意なファウルのお陰でギリギリ試合に。 1 year ago
    • この展開から勝とうとすれば、4Qのスコアは40-10以上に持っていかなきゃならない(今は21-4)。 のんびりペースを落としたオフェンスしてる場合じゃないし(ブレッドソー)、オフェンスリバウンドを取られるたびに3%ずつ勝機が失われる。 2 years ago
    • ま、またこの展開。 2 years ago
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Salary Capとは?

 前ブログでサンズ関連の記事よりよっぽど人気のあったキャップ制度についての記事です。完成するかどうかすら分かりませんが。サラリーキャップに関連したエピソードを集めたページも作成中です。何か面白い話ありましたら是非教えてください。


2010年5月6日更新(構成直し、細かい部分の書き直し)
2010年5月14日更新(契約の延長と再交渉)
2010年5月18日更新(目次改訂、重複直し、2-1から延長契約を1-2、再交渉を1-3へそれぞれ移動、1-3に「その他の変更方法」を追加、2-1に契約満了、ウェイブを追加)
2010年5月19日更新(2-1の手直し、バイアウト、Dリーグ送致を追加、ウェイブに追記)
2010年6月17日更新(2-1のウェイブの項にオベルトのset-offのケースを追加)
2010年7月13日更新(2-2(1)、制限つきFAを追加)



0、イントロダクション
  0-1  サラリーキャップとは?
  0-2  ラグジュアリータックスとエスクローシステム


1、契約の開始とその内容

  1-1  ドラフト指名を受けた選手に関する諸規定
    (1) ルーキー・スケール・サラリー
    (2) ドラフト指名した選手が指名したチームと合意に達しなかった場合
    (3) ドラフト指名権とサラリー・キャップ
    (4) ドラフトの年齢制限について

  1-2  契約の形態
    (1) ルーキー・スケール・サラリー(前述)
    (2) 10日間契約
    (3) 保証つき契約と保証なし契約
    (4) 契約のオプション
    (5) 延長契約
    (6) サイン&トレード

  1-3  契約の内容
    (1) 契約額の制限について
    (2) 昇給の形態
    (3) インセンティブについて
    (4) 契約時ボーナスについて
    (5) 契約内容の再交渉
    (6) その他の変更方法

  1-4  ロスターの人数制限

  1-5  契約の際の禁止事項
    (1) タンパリングの禁止
    (2) 協賛企業へのサラリー分割の禁止
    (3) 密約の禁止
    (4) July Moratorium期間中の契約の禁止


2、契約の終了とFA

  2-1  契約の終了
    (1) 契約期間の満了
    (2) 解雇 – ウェイブ
    (3) 契約買取 – バイアウト
    (4) Dリーグへの送致

  2-2  フリーエージェント
    (1) 制限つきFA





0  イントロダクション

0-1  サラリーキャップとは?

  ざっくばらんに言ってしまえば、各チームが選手に払える給料の総額の上限のことです。NBAの本部が毎年決めています。これにより(名目上は)カネに任せてむやみにいい選手を取ることが出来なくなるため、チーム間の実力差が開きすぎずチーム間の実力のバランスをとることが出来ます。原則として、サラリーキャップを下回っているチームでなければフリーエージェント(どこのチームとも契約していない状態、FA)の選手と新たに契約を結ぶこと出来ません。したがってカネに恵まれていないチームでも、カネを持っているチームが次々にスター選手をとることが出来ないため、ある程度同じ土俵で戦うことが出来ます。

  れっきとした統計もあります。2001-02シーズン、NBAにおけるチームのサラリー総額とレギュラーシーズンの勝ち星の相関関係は0.13でした。 これが意味するところは、ほとんどカネと勝ち星に関係はないということです。ちなみにサラリーキャップ制度のないMLB(メジャーリーグ)では相関関係が強く、2002年のシーズンでは0.43という数字が出ています。但し、経営に問題のあるチームも含まれているため、金を持っているチームが強いという現実はあります。


*これについてはいろいろ調べたのですが最新のデータは見つかりませんでした。この数字もちょっと自分では評価できず、参考ページをそのまま日本語にしてのせました。ただ数字はrの2乗というもので、確か統計学で習ったのですが‥記憶のかなたに消え去りました。統計学の教科書をひっくり返して見つけたら、後日追記します(追記;結局この式は見つかりませんでした。別の相関係数について、気が向いたら計算式をのせてみようと思います)。


  しかし、このサラリーキャップによる制限は厳密なものではありません。NFLで採用されている、絶対に制限された額を超えてはならないサラリーキャップ制度が「ハード・キャップ」と呼ばれるのに対し、NBAで採用されているサラリーキャップは「ソフト・キャップ」と呼ばれます。このキャップ制度の下では、一定の場合にはサラリーキャップをオーバーしても良いことになっています。そういった場合を規定している例外条項(エクセプション)が幅広く認められていることにより、現実にはシーズンを通して一度もサラリーキャップを超えていないチームはまれです(但し、特に 2009-10シーズンはどのチームも積極的にキャップの空きを作っています。これは2010年に有望な選手が多数フリーエージェントになるためということと、単純に不況だから、という2つの理由があります)。

  ソフト・キャップ制を導入したのは、選手が一定のチームに留まることを容易にするためです。どういうことかというと、厳密な「ハード・キャップ」制を用いれば、チームがサラリー・キャップを越えた時点で、契約が満了してしまった選手は、サラリーの制限によってチームから十分な契約がオファーされずにチームを出て行かざるを得なくなるからです。ドラフト当時からフランチャイズ・プレーヤーとして活躍してきた選手が流出してしまうようなシステムのもとでは各チームが選手の育成を怠りかねませんし、それではファンも面白くありません。ソフト・キャップ制の下での数々の例外は、そういった場面でもチームが選手を保持できるようにしているものが多いのです。


  日本人の感覚としては「じゃあスター選手が安い給料でも働く、といえばそんなものは意味をなさないのでは」という疑問が湧きますが、これについてはどうも文化が違うみたいです。個人的には日本のプロスポーツ選手、例えばプロ野球選手とはかなり意識が違うという印象を受けます(制度上簡単にFAになれるからという事情もありますが)。税金を引かれて尚人生10回遊んで暮らせるほどの億万長者で、しかもあれだけ「リング、リング」と騒いでいるのに、いざカネの話となると割と金額の高いオファーにほいほい流れがちです。2009オフで言えばロン・アーテスト(2009オフに前年度に優勝したLALと契約)なんかは例外中の例外です。オドムだってレイカーズと故郷のヒートで散々迷いましたしね。また、まだタイトルを手にしたことのない往年のスター選手が歳をとってから安価で強いチームと契約すると「リング乞食」とバカにされがちです。ゲイリー・ペイトンやカール・マローンはこのクチです。もっともマローンは最強レイカーズに入ったはずなのに結局失敗しましたが。グラント・ヒルも本来は「リング乞食」でサンズに来たはずだったのですが、2008-09シーズンはとうとうPOにも出られませんでした(それでも延長しましたが)。

  金額で決めることについて少し古い例ですが、人格者で有名なナッシュですら、当時在籍していたマブスよりマックスのオファーを示してきたサンズと契約し移籍しています。彼の場合はマックス額を提示してきたのが古巣というのと、かなり譲歩・減額したのにそれでもダメだったというやはり彼らしい理由もありますが。やはり金額によって自分がどれくらい評価されているか、ということを感じるのかもしれません。こればかりは現地にもいなければ選手でもないので分かりません。ノヴィツキーは2010年オフで契約減額しても構わないから優勝したい、というようなこと言ってましたが、結局2010プレーオフは1回戦負けを喫し、少し心がダラスから離れつつあるみたいです。話はそれますが、08年オフにエルトン・ブランド(当時LAC)の「減額してもいいからチームに補強して欲しいんだ」との発言を聞いたクリッパーズはかなり思い切ったオファーを出し、バロン・デイビスの補強には成功したもののブランド本人には結局逃げられてしまいました。基本的にこのテの「長年在籍したチームに対し、自分の契約を減額してその分空いたスペースでを補強してもらう」という態度は結構評価されます。このときの場合は結局移籍したので結局特にクリッパーズファンからはひどい評価を受けていましたが。

  ここで話を戻して、サラリーキャップがどのように設定されるかについて説明します。毎年7月にNBA本部は、そのシーズンのBRI(バスケットボール関連収入)と選手に支給される福利厚生費を予測します。その上で、リーグ本部はBRIの51%(あらかじめ決められています)から福利厚生費(05-06シーズンで$112ミリオン)を差し引き、更に前シーズンのBRIの予想額と実際のBRIの額の差異(どちらが多かったか)に基づいて調整を行った上で、最後にそうしてはじき出された額を翌シーズンもNBAに在籍する予定のチーム数(現在30、但し在籍年数が2年以下のエクスパンション・チームは除く)で割った額がサラリーキャップとなります。サラリーキャップは”July Moratorium“の初日(7月1日)に、前シーズンの予想されたBRIと実際のBRIとの差異を基に上記の調整が行われ、監査報告書の完成を待って発表されます。大体発表は7月の8日から10日頃になり、これを待って各チームはFA選手と契約することが可能になります。大体プレーオフが始まる頃には大方の予測が出てきますので、プレーオフに出られなかったチームのファンはドラフトに加え、これをもとにしたオフの補強の予測で長いオフシーズンを楽しむハメ(?)になります。

  前シーズンの予想されたBRIと実際のBRIに基づいて調整するという計算をそのまますると、一度にTV局から数年分の放送料収入があったときのように多額の収入が一度に入った際に、サラリーキャップがある年に急激に増加しその翌年はほとんど変わらないか或いは下がってしまう、ということになってしまいます。これは以前の労使協定の下ではよく見られたことですが、現在の労使協定のもとではこの問題に対応しており、そのTV局等との収入がカバーする契約年数に応じてその金額を各年(サラリー・キャップ・イヤー、7月1日から翌年の6月30日まで。NBAの会計年度で、シーズンに対応しています)に割り振るようになっています

  ちなみにチーム・サラリーには下限もあり、「ミニマム・サラリー」と呼ばれています(*)。こちらはサラリーキャップの75%の額となっており、シーズン終了時にこの額をチーム・サラリーが下回った場合には選手にその分が支給されます。但し、実際のところサラリー・キャップを超えているチームがほとんどなので、この制限はあまり意味をなしません。2010年オフにニックスやネッツ、ヒート辺りがFA戦略に失敗すると、ひょっとするとこの話が出てくるかもしれません。

  なお、ミニマムサラリーという言葉自体は通常は最低保証額契約をさす時に使われる名称ですが、こちらの意味で使われることも稀にあります。

  ここで、体系的には選手との契約に移るのがスジかと思うんですが、よく混同されがちな「ラクジャリー・タックス」について話を移します。

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0-2  エスクロー・システムとラグジュアリー・タックス


サラリーキャップとの混同が多そうなので、先にイントロダクションで言及しておきます。

・ラグジャリー・タックス(要約)

  チームのサラリー総額がある一定の額(タックス・レベル)を超えると、そのチームはその額を超えた分について「1ドルにつき1ドル」をリーグ本部に収めなければなりません(一定の例外があります)。この、リーグに収めるお金の事を「ラグジャリー・タックス」と呼びます。単純に言えば、選手の給料の総額がその額を超えると、チームは超えた分につき選手とリーグ本部に払わなければならず、一旦その額を超えると超えた分は都合2倍の出費になるということです。これによりリーグに納められたタックスは、主にタックスを払っていないチームに分配されます。

  チームのサラリー総額を抑えよう、という点でサラリー・キャップと同じ目的を持っているため混同されやすいのですが、基準額が実に$10ミリオン以上も違います(09-10シーズンでは、サラリーキャップは$57.70ミリオン、タックス・レベルは$69.92 mil.)。そのため、2008-09シーズンでもタックスを支払ったのは7チームのみです。また、サラリーキャップを超えても特に罰則はありませんが、タックスレベルを超えると上記の通り「1ドルにつき1ドル」リーグに支払わねばなりません。

  これくらいが分かっていれば十分だと思います。以下に割とマニアックなラグジャリータックスについての説明を入れておきますので、よろしければどうぞ。エスクロー・システムとあわせてご覧ください。


・エスクロー・システム(escrow system)とは?

  エスクロー・システムとは、リーグ全体の選手のサラリーと福利厚生費などの給付金が、BRI(Basketball Related Income、バスケットボール関連収入)の一定の割合を超えないように抑制するものです。この割合は毎シーズン57%と決められていますが、BRIがある額を超えると、57.5%になったり、58%になったりします。

  サラリーと福利厚生費を決められた割合以下に抑えるため、プレーヤーの契約のうち一定の額は、エスクロー口座へと預けられます。毎シーズン終了後、リーグ本部はリーグ全体のサラリーと福利厚生費がBRIの一定の割合を超えていないかどうか確認します

・超えていない場合:預けられた額を選手に返還します。これによって選手は契約の額面どおりのサラリーを得ます。
・超えている場合:超えている分を各オーナーに返還し、サラリーと福利厚生費がBRIの一定の割合以下になるようにします。その上で、もし口座に残りがあれば、その分を選手に返還します

  選手がエスクローの口座に預ける金額は予め決められており、2009-10シーズンはそのシーズンのサラリーの9%、2010-11、2011-12シーズンはどちらも8%となっています。この割合に基づいて選手たちのサラリーから一定の金額が預けられ、サラリーと福利厚生費の大きさに基づいてシーズン終了時に返還されます。

  なお、選手が受け取る福利厚生費からはエスクロー口座に振り込まれず、一方でBRIには福利厚生費が含まれているため、福利厚生費が高額になる場合は上記の超過分がエスクロー・システムの資金だけでは賄いきれないこともあります。その場合には、賄いきれなかった差額分は翌シーズンの選手のサラリーから引かれます。因みに 2008-09シーズンでは$25.8ミリオンの不足分が生じたため、2008-09シーズンは選手側から例年通りのサラリーの9%に加え、差額を埋めるために総額で$25.8ミリオンを別途納めねばなりませんでした。

  さて、ここまで説明してようやくラグジャリー・タックスの話に移ります。何故エスクロー・システムを先に持ってきたかというと、以前の労使協定ではエスクロー・システムを補完するシステムとして「ラグジャリー・タックス」が機能していたからです。間が空いてしまったので、上記の要約した説明も含めてラグジャリー・タックス全体について説明します。


・ラグジャリー・タックス(luxury tax、贅沢税)とは

  ラグジャリー・タックスもエスクロー・システム同様、チームの出費を抑えるためのシステムです。ただ、エスクロー・システムほど難解ではないですし、「リーグ全体のサラリーと福利厚生費を抑える」エスクロー・システムとは違い、「一定額をオーバーしたチームに罰金を払わせ、残りのチームでそれを分配する」という側面も持ち合わせています。なお、労使協定の条文では単に”tax”や”team payment”と表記されており、”luxury tax”(贅沢税)というのはあくまで俗称です。

  「税」とされていますが政府に納めねばならないというわけではなく、リーグ本部に対して払うものです。このシステムによって、チーム・サラリーがある一定の「タックス・レベル(タックスラインとも)」という額に達した場合、それ以降原則としてそのチームはタックス・レベルをオーバーした分1ドルにつき、1ドルを別途リーグに納めなければなりません。この別途にリーグに納める分が「ラグジャリー・タックス」と呼ばれているものです。

  タックス・レベルはシーズンに先立って決定されます。サラリー・キャップの決め方と同じように、BRIの61%(cf.サラリーキャップは51%)から福利厚生費を差し引き、前シーズンの予想されたBRIと実際のBRIの額の差異によって調整します。このようにして計算された額を、NBAの総チーム数で割って算出します(但し加入して2シーズン経過していないチームは対象外)。

  ここで話を以前の労使協定に移します。以前の労使協定の下では、先ほども説明したとおり、エスクロー・システムを補完するものとしてエスクロー・システムでは超過分が賄いきれないときにのみ用いられていました。超過分が賄いきれないときは、サラリーを多く支払っているチーム、つまりリーグ全体のサラリーを引き上げている原因となっているチームにその超過分を埋めてもらおう、というものです。したがって、どんなにチーム・サラリーが高くてもエスクロー・システムの超過分が発生せず、結果としてラグジャリー・タックスが必要とされなければ、出費が極端に多いチームでもラグジャリー・タックスを支払わなくてもいいことになっていました。

  また、以前の労使協定の下ではもうひとつ問題点がありました。以前は実際のリーグの収支に基づいてラグジャリー・タックスが決められていました。何が問題なのかというと、実際に収支が確定するのはシーズンが終わったあとの7月の第1週なので、シーズンが終わらないとタックス・レベルが判明しなかったのです。したがって各チームは、翌シーズンまで判明しないリーグ全体の収支を自分たちで予測する必要がありました。つまり、各チームはエスクロー・システムで超過分が発生するか否か、更にタックス・レベルがいくらになるか、という二重の不確定要素に悩まされていたのです。

  2004-05に定められた労使協定ではこれらの点が改善され、まずラグジャリー・タックスはエスクロー・システムから切り離され、独立したものとなりました。したがってエスクロー・システムで超過分が発生していようがいまいが、ラグジャリー・タックスは発生するようになりました。また、タックス・レベルの計算に予想されたBRIを用いてシーズンの開始に先立ってタックス・レベルを発表するようにしました。これにより、ラグジャリー・タックスはかなり明確な、分かりやすいシステムとなり、補強をしたいチームが予測できない要素に悩まされて新しい選手を呼びづらくなるということもなくなりました

  ではどのようにラグジャリー・タックスの課税額を決めるか、ということについて説明します。細かいことが多いのでとばしてしまっても大丈夫です。

  課税額を決めるとき、リーグ本部は前シーズンの最後の試合(プレーオフは除く)の時点でのチーム・サラリーを基準とします。チーム・サラリーの決定に際し、以下のようにいくつかの調整事項があります。

・「実現の可能性が低いインセンティブ」のうち、実現して選手の収入になったものは、チーム・サラリーに含める
・「実現の可能性が高いインセンティブ」のうち、実現せずに選手の収入とはならなかったものは、チーム・サラリーから除く
・シーズン最後の試合以降に支払われたトレード・ボーナスは、チーム・サラリーに含める
・不平を収めるために用いた金銭は、チーム・サラリーに含める
・結んだFA契約(ドラフトでないもの)のうち、2年目の選手に与えられる最低保障額より額の小さい契約がある場合は、その契約額の代わりに2年目の選手に適用されるベテラン最低保障額を、チーム・サラリーとして数える
・最低保障額契約の下にある選手のうち、リーグがそのサラリーの一部を負担している選手のサラリーについては、チームが支払っているサラリーのみが課税対象となる。
・各チームは1回限り、選手を1人ウェイブしてその選手のサラリーをラグジャリー・タックスの課税対象から外すことが出来る(アラン・ヒューストン・ルール)

  以下、アラン・ヒューストン・ルール、正式名称アムネスティ条項の説明です


・アムネスティ条項(luyxury tax amnesty provision)とは?

  2005-06シーズンから発効した労使協定の下で、ラグジャリー・タックス・ルールが「毎年必ず」適用されることになったのは上記のとおりです。このルールをいきなり適用すると、各チームではサラリー額が高いのに活躍していない選手、いわゆる「不良債権」と呼ばれる選手が毎年チームの収支を圧迫するようになってしまい、各チームが成績アップよりも財政縮減を優先してしまうという状況になってしまいかねません。そこで、現行制度に切り替わった直後の2005オフに限り、そうした選手をラグジャリー・タックスに勘定せずにバイアウトできるようにしました。

  このルールは一度きり、1人の選手にしか適用できず、2005年の8月2日から8月15日までに使用しなければなりませんでした。2005年の6月21日以前に契約した選手、あるいは2005年7月発効の労使協定が発効されてからウェイブされた選手がをこの対象とすることが出来ます(つまり、使用期間以前にウェイブされた選手にも適用できるということです)。

  この条項が適用されてウェイブされた選手は、ラグジャリー・タックスを計算する際に用いられるチーム・サラリーに計上されません。つまり、タックス・レベルを$15ミリオン超えているチームがこの条項を適用して年$10ミリオンのサラリーの選手をウェイブすると、そのチームのラグジャリー・タックスの支払いは$5ミリオンとなります($10ミリオンの支出削減)。しかし、そのチームがもしタックス・レベルを$5ミリオンしか超過していないと$10ミリオンの選手をウェイブしてもタックスの支払額が0となるだけで、結局$5ミリオンの支出削減となります。また、この例外条項のポイントはたとえタックス・レベルをオーバーしていなくともこの条項を適用して選手をウェイブできるところで、キャップスペースを確保して将来の戦力補強を容易にすることもできる、というわけです。

  アムネスティ条項が適用されるのはラグジャリー・タックスの計算の際に限られ、サラリー・キャップには通常の手続きによってウェイブされた選手と同様にカウントされますし、ラグジャリー・タックス以外の事項には一切適用されません。唯一の例外として、ウェイブした選手の(旧)契約の期間中は、ウェイブしたチームはその選手と再契約することが出来ません。それ以外は全て通常のウェイブと同じように扱います。

  ちなみに、この条項は「アラン・ヒューストン・ルール」という名前の方が一般的ですが、これは当時ニューヨーク・ニックスのアラン・ヒューストンという選手がこの条項によって真っ先にバイアウトされるだろう、と思われたからです。しかし実際にはニックスはジェローム・ウィリアムスにこの条項を適用しアラン・ヒューストンはそのまま残された、という有名なオチがつきました。


*不平ってティンズリーVSペイサーズのときに選手会が提出したものと関係あると思うんですが分かりませんでした。わかる方がいらっしゃいましたら是非コメントお願いします

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1  契約の開始


契約の開始は、次の2つに大別できます
・1巡目指名の契約
・FA契約(ドラフト指名されなかった選手も含む)

  これらのいずれかの方法によって、選手はNBAへの在籍が可能になります。この章では、まずドラフト直後の契約にかかる制限から説明し、続いてFA契約等の説明に移ります。

  尚、NBAに入るには少なくとも1度はドラフトにエントリーする必要があり、エントリーしてドラフトされなかった(undrafted)選手が「ルーキー・フリーエージェント」として自由に各球団との契約が許されます。



1-1、ドラフト指名を受けた選手に関する諸規定


(1) ルーキー・スケール・サラリー(Rookie Scale Salary)

  1巡目指名(1位から30位)を受けた選手は、指名順位によってあらかじめ契約額が決められています。これは、経験のないルーキーが身の丈に合わない高額契約を要求しがちであることと、ルーキーが自分たちより高い給料をもらっていることに対するベテラン選手からの反発を受けて制定されたものです。

  ルーキー・スケール・サラリー制度においては、契約形態・契約額ともに厳しく決められています。現在では、契約の形態は1巡目指名を受けた選手は2年+2年分のチーム・オプション(*)つきで、チームは契約最終年に前年のサラリーを30%増額したクオリファイイング・オファーを出せることになっています。契約金額は指名順位ごとに決められており、例えば2009年ドラフト1位指名を受けたブレイク・グリフィンは$4.152ミリオン(415万ドル)が初年度、2年目は$4.464ミリオン、3年目(チーム・オプション)は$4.775ミリオン、4年目(チーム・オプション)は3年目のサラリーを26.1%増額した金額となっています。但しチームにはある程度の裁量が許されており、契約の際にこの決められた額の80%から120%までの額に収まっていれば良いことになっています。昇給額は、年ごとに初年度の8%までと決められており、この昇給額もスケールの120%をオーバーしてはいけません(参考;マックス契約と昇給)。また、この契約にはルーキー・エクセプションと呼ばれる例外条項が適用されるため、サラリーキャップをオーバーしても契約を結ぶことができます。120%の額で契約してもその全てにルーキー・エクセプションが適用されるため、多くのチームは120%の額で指名選手との契約を結びます。

  契約額だけでなく、チーム・オプションが適用される年の増額の割合も指名順位ごとに決まっています。例えば2009-10シーズンでは、1位指名の4年目(チーム・オプション)のサラリーが3年目のサラリーを26.1%増額したものであるのに対し、30位指名のそれは3年目の80.5%になっています。またクオリファイイング・オファーの増額割合も、1位指名の選手は4年目のサラリーを30%増額したもの、30位指名の選手は4年目のサラリーを50%増額したものとなっています。こう書くと30位指名の選手の方が高給取りにも思えますが、初年度から3年目までのサラリーが300万ドル近く違うため、そのようにはならず、制度上1位指名の選手から30位指名の選手にまで徐々にサラリーが下がっていくようにできています。

  なお、7月10日までに指名選手とチームが合意に達しなかった場合、この額は日割りで減っていきます。シーズンが170日あった場合、7月10日から1/170ずつ減らされていく、ということです。

  また、ルーキースケールサラリーのチーム・オプション(*)は、オプションを適用するシーズンの前年の10/31(休日の場合は次の平日)までに行使せねばなりません。4年目までオプションを行使した場合は、その選手は契約満了後「制限つきFA」(**)となりますが、オプションを行使しなかった場合は制限なしのFAとなります。

  これらをまとめた表は、データベースに載せてあります。


*チーム・オプション(詳しくは後ほど)
「4年契約で、最後の1年がチーム・オプション」というように使われ、その選手の契約をそこで打ち切るか、翌シーズン(オプションが適用される年)も継続するかをチームが決められる、という選択条項。当然選手にとっては不利な条項なので多くの選手はこれを嫌います。
**制限つきFA(詳しくは後ほど)
これに該当する契約を結んでいる選手に対して、チームが契約期間満了のシーズンの6月30日までにクオリファイイング・オファーという1年契約のオファーを出すことによって、選手は「制限つきFA」となる(クオリファイイング・オファーを提示しなければ、制限なしの通常のFAとなる)。制限つきFAとなった選手に対して、他のチームは通常のFAと同じようにFA交渉期間中に契約を提示できるが、選手がその契約にサインしても、同額の契約を所属チームが提示(これを「マッチ」という)してきた場合、その選手は強制的に所属チームとの契約に合意させられてしまう、というもの。

– column –
  ルーキースケールは1995年に作られたルールですが、その直前の94年に1位指名を受けたグレン・ロビンソンは契約期間13年、総額100万ドルの契約を要求してチームともめ、最終的にトレーニング・キャンプ開始後に10年、68万ドルの契約で合意に達しました。これは史上最高額のルーキー契約で、その翌年にルーキースケールサラリーが設けられるに至ったため、今なおルーキーとしては最も大型な契約です。ちなみに彼はルーキーイヤーで平均21.7得点で新人王争いでは3位(グラント・ヒル、ジェイソン・キッドに次ぐ)、オール・ルーキー1stチームにも選ばれ、キャリア通算20.7得点をマーク。バックス通算2位の得点記録(カリーム・アブドゥル・ジャバーが1位)を保持しているため、大型契約は結んだもののバックスは少なくとも失敗はしていないということになるでしょう。ですが、バックスでは成功した彼もホークス、シクサーズと次々と移籍を余儀なくされるうちにひざを壊してしまい、その10年の契約を全うしないうちにバイアウトされてしまいました。バイアウトされた年の4月にスパーズと契約、ロールプレイヤーとしてプレーオフに出場しチャンピオンリングを獲得した後、引退しています。ロビンソン在籍当時、バックスはカンファレンス決勝まで進んだものの、それ以降は長い低迷期に入ってしまいました。ジェニングスは救世主になれるのでしょうか?

参考;Wikipedia – Glenn Robinson


(2) ドラフト指名した選手が指名したチームと合意に達しなかった場合

  選手側からできることはきわめて限定されてしまいます。
・もしその選手が既にNBAに所属していないプロチームの契約下にあるか、あるいはそういったチームとの契約にサインした場合、指名したチームはその契約の終了後1年が経つまではその選手との交渉権を保持します。この選手の(NBAチーム以外と結んでいる契約の)サラリーは、サラリーキャップには計上されません。
・その選手が契約合意に達しなかった後、大学に戻ってプレーできる場合には、指名したチームはその選手が大学を卒業してからエントリーできた最初のNBAドラフトの日までその選手との交渉権を保持します。
・上記以外の選手については、指名したチームは交渉権を次の年のドラフトの日まで保持します

  いずれにしても、チームが交渉権を保持している期間内に選手と合意に達しかった場合には、その選手は次のドラフトにエントリーできます。次のドラフトで指名したチームとその選手が再び合意に達しなかった場合、その選手は「ルーキー・フリーエージェント」となります(この後他のチームと契約すると、その選手は指名を受けたにもかかわらずundraftedになる、ということです)

  1巡目指名をしたチームが3年以内に指名選手と合意に達した場合、その選手には指名された年のルーキースケールサラリーではなく、契約にサインした年のスケールが適用されます(多くの場合は指名された年に合意に達するのであまり問題にはなりませんが)。3年が経過した場合、それ以降はチームはルーキースケールを適用するか、あるいは通常のフリーエージェントとして契約するかを選ぶことができます。当然、フリーエージェントとして契約した場合には、サラリーキャップの空きか、各種例外条項を用いねばなりません。尚、その選手が3年経過後、契約するまでの間に一時的に大学でプレーしていなかった場合にはフリーエージェントとして契約するしかなく、契約も3年以上のものに限定されてしまいます。

  尚、2005年以前のドラフトで指名された選手については、1999年の労使協定で制定されていた「3年+1年のチームオプション」という契約形態で、合意に達した年のスケールの額の契約になります。

  また、この権利は他の権利と同様に放棄(renounce)することができ、その場合には選手は「ルーキー・フリーエージェント」となります。一度「ルーキー・フリーエージェント」になると、選手は放棄したチームと契約しない限りルーキースケールに拘束されなくなるので、これが選手にとって有利に働くこともあり得ます。つまり、その選手がもし急激に成長して大選手になった場合、ルーキースケールでは最低2年間は低いサラリーでプレーしなければなりませんが、フリーエージェントなら契約段階で好きなように契約を結べるので、例えば最初の契約期間を1年にしておけば、次の年の延長契約でルーキースケールよりも遥かに大きな額がもらえる、ということにもなるからです(実際には1年在籍ではノン・バード条項しか適用されないので、サラリーキャップを埋めてでも契約したいとチームに思わせるようなよほどの大物にならない限り、大したことにはなりませんが…)。


(3) ドラフト指名権とサラリー・キャップ

  指名権自体はサラリーキャップには計上されませんが、1巡目指名した後契約合意に達しない場合には指名順位に応じてそのスケールがサラリーキャップに計上されます。

  詳しくは「サラリーキャップと契約」で説明します。


(4) ドラフトの年齢制限について

  NBAドラフトには年齢制限があります。選手は少なくとも1回はドラフト指名される資格を得ない限り、NBAでプレーすることはできません(必ずしも指名される必要はなく、資格さえあれば良い、ということです)。ドラフトの年(シーズンではなく、暦の上での「年」です)に19歳以上となっていること、更にアメリカの選手である場合、高校卒業(中退)から1年以上経過していることも、指名される条件となります。更に以下の6つの条件のうちいずれかひとつを満たさなければなりません。

(a)アメリカの4年制大学を既に卒業しているか、ドラフトの年の間に卒業する予定であり、NCAAの試合への出場資格を既に失っていること。
(b)アメリカの4年制大学に通っているか通っていた者で、もともとの学年なら既に卒業しているかドラフトの年の間に卒業が見込まれていたこと(留年、休学、もしくは中退していても、ということです)。
(c)アメリカの高校に通っていたが大学には入らず、高校卒業後4年が経過していること(卒業していない場合、もともとの学年なら卒業した年から数えて4年)。
(d)NBA以外のプロリーグでプレーした経験があること。
(e)自身で「アーリーエントリー」を表明していること。
(f)外国人選手(*)で、以下の条件のうち少なくともひとつを満たしていること。
‐ドラフトの年に22歳である
‐NBA以外のアメリカのプロリーグでプレーした経験がある
‐自身で「アーリーエントリー」を表明している

*ここでいう外国選手とは、ドラフトの前にアメリカ以外の国に少なくとも3年は住んでおり、アメリカ以外でプレーしていて(プロ、アマ問わず)、アメリカの高校を卒業していない者のうち、更にアメリカの大学に入学していない選手のことをさします。

  2005年発効の労使協定ではこの年齢制限が引上げられていますが、既にドラフトされている選手には影響しません。たとえば、アンドリュー・バイナムは 2005年のドラフトの時点(ドラフトの時点ではまだ労使協定は発効していません)では17歳でしたが、NBAでプレーする資格があります。

  なお、上記の条件のうち「アーリーエントリー」以外は全て自動的に満たされる条件ですが、これらの条件を満たさないときに自ら志願してドラフトに参加する方法が「アーリーエントリー」です。つまり、19歳以上になっていて、アメリカの高校を卒業、中退して1年以上経過している選手か「外国選手」に該当する選手は、自らドラフトに参加する意思を表明してドラフト指名を受ける資格を得ることができる、ということです。アーリーエントリーは、ドラフト会議の60日前までに表明しなければなりませんが、ドラフト会議の10日前までは取り消しが可能です。アーリーエントリーを表明した選手は、NBAのドラフト前キャンプに参加したり、各チームのワークアウトを受けることが可能になります

  なお、選手が大学に所属している場合、2010年のドラフトにおいてはアーリーエントリーを5月8日までに取り消さなければ、大学でプレーする資格を失います。また、それ以前に取り消しを表明しても①代理人と契約を結ぶか、②以前のドラフトで既にアーリーエントリーを表明し、後にそれを取り消していると、大学でプレーする資格を失います。②については、NBA側は2回までのアーリーエントリーの取り消しを認めていますが、NCAAは大学でプレーする資格を失わずにエントリーできるのを1回までに制限していることによります。

  なお、NBAにおいて、ほかにオーバー36ルール(Over-36 Rule)という年齢に関するルールがあります。



1-2  契約の形態

  ここでは契約の態様について説明します。元来契約はチームと選手間で自由に結べるものですが、チームの方がえてして組織としての権力が強いため、かなり厳しい制限が設けられています。


(1) ルーキー・スケール・サラリー

  1巡目指名を受けた選手は「2年契約+2年のチーム・オプション」の契約を結ばされる、というものです。詳しくは1-1(1)を参照してください。


(2) 10日間契約(10-day contract)

  10日間契約とは、その名の通り契約期間が10日間(もしくは3試合、いずれか遅い方)の契約のことで、毎シーズン1月5日(休日の場合は次の平日)から締結が可能になります。この契約は、同じ選手に2回(連続していなくても構いません)まで結ぶことが許されており、それ以降もチームが選手を保持する場合は、そのシーズンの残りの期間について契約を結ぶことになります。チームはインアクティブリストに登録されている選手の数までしか10日間契約の選手を保有できません。

  多くの場合、10日間契約により在籍した場合でも「在籍年数」に数えられますが、ラリー・バード条項、アーリー・バード条項の在籍年数にはカウントされません。


(3) 保証つき契約と保証なし契約

  契約には必ずしもサラリー支払いの保証がついているとは限りません。いくつかの契約類型については必ず保証をつけることが要求されますが、それ以外は契約時に、個々の選手とチームとの交渉によって保証の有り無し、保証割合が決定されます。保証の対象となるのは選手の基本給だけで、ボーナスやインセンティブは保証の対象とはなりません。また、保証の割合をシーズンごとに変えることは許されていますが、増やすことは許されていません。

  保証にはいくつかの種類があります。技術不足、死亡、怪我や病気、精神的障害、そしてバスケットボールに関連する怪我についての保証条項があります。このうち、保険がかかっていないことが条件になっているものはバスケットボールに関連する怪我(uninsured basketball-related injury)のみで、他のものについては保険のあるなしを問いません。また、技術不足についてはそもそも保険をかけることは出来ません。これらの組合せによって保証の内容を決めます。例えば、怪我や病気については100%の保証をするが、技術不足については保証の対象外とする、という契約をチームと選手は結ぶことが出来ます。

  また、保証はサラリーの全額を対象にすることもできますし、一部のみを保証することもできます。更に、保証割合をシーズンのある時期から変化させることもできます。例えば、2005-06シーズン、レイカーズとの$5.94ミリオンの契約のうち、$2ミリオンのみが保証されていたウラディ・ディヴァックは、2005年9月30日以降もロスターに残れた場合には満額の$5.94ミリオンが保証されることになっていました。しかしレイカーズはその日を待たずして彼を解雇、結局彼は保証された$2ミリオンのサラリーを得るにとどまりました。

  サラリーの保証をつけなければならないのは、以下の場合です。
・サイン&トレードの場合、最初の1シーズンは技術不足(による解雇)についてサラリー支払いを保証しなければならない
・ルーキースケール契約については、全てのシーズンにおいて技術不足、怪我や病気について、少なくともルーキースケールの80%の額を保証しなければならない。

  更に、1月10日を過ぎると、全ての契約がそのシーズンの残りについて保証つき契約となります(但しバイアウトに関して複雑な例外あり)。保証なしとなるには選手がこの日までにウェイバー公示期間を過ぎている必要があるため、各チームは1月10日の数日前に選手をウェイブすることが多いのです。また、1月10日以前にウェイブされた選手でも、解雇前にそのチームでプレーしていたことが直接の原因となって怪我を負った場合には、その選手のサラリーはその選手がプレーできるようになるか、シーズンの終わりか、いずれか早い方まで保証されます。


(4) 契約のオプション

  契約にオプションをつけることによって、契約期間が満了した後更に1シーズンの間、その契約を延長することができるようになります。例えば5年契約で6年目にオプションがついている、という場合、オプションが行使されればその契約は6シーズン目にまで延長され、行使されなければ5シーズン目の終わりで満了します。オプションは、行使しなければ制限つきFAになる選手を除いて(期限は6月25日まで)、対象としているシーズンが始まる前の7月1日までに行使せねばなりません。また、一度行使すれば翻意することはできず、例えば6月20日に行使した後、6月25日に行使しないことに決めたとしても、オプションを非行使にすることはできません。また、状況によってオプションをつけたりつけなかったりすることは許されず、常に契約段階でオプションを加えるか否かを決定しなければなりません。例えば、平均20点以上をあげたら、とか、チームが50勝したら、といったような条件で、インセンティブとしてオプションをつけることはできない、ということです。

  オプションには次の3種類があります。
(ⅰ) チーム・オプション…チームにオプションを行使する権利を与えるもの。ルーキースケールの契約を除き、1年分までしかオプションをつけることはできず、オプションが適用されるシーズンに前シーズンよりも低いサラリーをあてることはできません。
(ⅱ)プレーヤ・ーオプション…選手にオプションを行使する権利を与えるもの。1年分までしかオプションをつけることはできず、オプションが適用されるシーズンに前シーズンよりも低いサラリーをあてることはできません。
(ⅲ)アーリー・ターミネーション・オプション(ETO)…選手に契約を早期終了させる権利を与えるもの。契約の5シーズン目以降につけることができる(4シーズンの満了の前、例えば3シーズン目にETOをつける、といったことはできない)。

  ルーキースケールを除いてこれらのいずれを契約に含んでも構いませんが、同じシーズンに2つ以上のオプションをつけることはできません。チーム・オプション、プレーヤー・オプション共に契約の最終年に1年限りしかつけられず、現行の労使協定では、契約期間は最長でも6年であることから、種類の違うオプションが同じ契約のなかに入る組合せは、都合6年契約の5年目にETOをつけ、6年目にチーム又はプレーヤーオプションをつける、というものだけになります。

  1巡目指名された選手に適用されるルーキースケール契約においては、3年目と4年目にそれぞれチーム・オプションがついています(2005年より前のドラフトで指名された選手には3年目のオプションはありません)。このオプションは、前シーズンの10月31日(休日の場合はあくる平日)までに行使しなければなりません。

  オプションとETOでは、以下の点が違います。
(a) オプションは契約最終年にしかつけられませんが、ETOは6年契約ならば最後の2年につけることができます。
(b) オプションは複数年契約の全てにつけることができますが、ETOは5年契約もしくは6年契約にしかつけることはできません。
(c) オプションはチーム、選手どちらにも選択肢がありますが、ETOは選手側にのみ決定権を与えるものです(チームのためのETOはありません)。
(d) オプションが適用されるシーズンは前シーズンのサラリーを下回ってはいけませんが、ETOにはそのような制限はありません。
(e) プレーヤー・オプションがたとえ行使されなくても、そのことは延長契約の締結に影響しません。ですが、ETOが行使された場合、延長契約を結ぶことはできません。

  ここでちょっとした問題が生じます。プレーヤー・オプションがつけられている契約下の選手が、オプションを行使する前にウェイブされた場合、どうなるでしょうか。このような状況に対処するため、契約が打ち切られた場合にその選手のオプション適用年のサラリーを受け取るか否かを予め契約締結段階で決めておかねばなりません

  従来はプレーヤー・オプションは選手により多くのサラリーを支給するためにもちいられました。ラリー・バード条項の適用資格を得た直後のシーズンにプレーヤー・オプション(現在のETO)をつける、という形で長期契約が結ばれ、オプションを行使してFAとなり、ラリー・バード条項を使ってより高額の契約を締結する、というようにです。しかし、現在の労使協定ではETOは4シーズンが終了するまでは行使ができず、プレーヤー・オプションも1年までしかつけられないため、オプションの使い道はかなり限定されています。


(5) 延長契約

  現在の契約の終了が迫っているが、契約満了後もその選手をチームに残留させたい場合に、チームは選手に延長契約のオファーを出すことができます。チームにとっては、他のチームが交渉の席につくよりも前に選手と交渉の場を設けることができること、契約終了を待たずに選手の残留を確定させることができ、長期的なプランを立てやすくなること、などから、早い段階でスター選手と延長契約をまとめようとします。また、選手にとっても長期にわたって将来の給与の支払いが約束されるため、安心してプレーができるというメリットがあります。

  契約延長については、基本的には通常の契約と変わるところはありませんが、悪用防止のため一定の制限があります。以下の制限は、延長前の契約がルーキースケール契約かその他の契約かで制限のされ方が大きく異なります。まず、延長契約にサインできる時期について、

(a)2005年7月1日以前に結ばれた契約(つまり、以前の労使協定の下で結ばれた契約)で、期間が6年以上のものは、その契約にサインしてから4年以上経過しないと延長契約にサインすることはできません。
(b)同様に2005年7月1日かそれ以降に結ばれた契約(現在の労使協定の下で結ばれた契約)で、期間が6年のものは、その契約にサインしてから3年以上経過しないと延長契約にサインすることができません。
(c)契約時期に関係なく、期間が4年もしくは5年の契約、延長された契約、締結後再交渉された契約(再交渉によってサラリーが10%より大きく増額されたものに限る)は、それぞれの契約にサインしてから3年以上経過しないと(新たに)延長契約にサインすることはできません。
(d)ルーキー・スケールの契約は、最後のオプションのシーズンの”July Moratorium”の開始日から10月31日(休日なら次の平日)までの間に、希望するならば延長契約にサインしなければなりません。当然前年に、そのシーズンのオプションが行使されていることが条件となります(詳しくは1-1(1)、ルーキー・スケール・サラリーを参照のこと)。

  ちなみに、ルーキースケール契約でない限り、延長契約はその選手がFAになる前の日、つまり契約最終年の6月30日までサインすることができます。

  以上ををまとめると、以下のようになります(表なので携帯の方は見づらいかもしれません)。

契約期間、種類 契約した日 延長が可能になる時期
6年/7年契約 2005年7月1日以前 契約にサインしてから4年後
6年契約 2005年7月1日かそれ以降 契約にサインしてから3年後
4年/5年契約 Any 契約にサインしてから3年後
延長契約 Any 延長契約にサインしてから3年後
再交渉された契約* Any 再交渉契約にサインしてから3年後
ルーキースケール契約 Any 選手のオプション最終年の、”July moratorium”の開始日から10月31日まで**


*更改によって10%以上のサラリーアップがあった場合。
**チームが予めそのシーズンのオプションを行使していた場合。期限は10/31か、31日が休日の場合は次の平日が期限になります。

  ルーキースケール契約からの延長を除き、上記の表の延長できるようになった時から契約終了年の6月30日、つまりその選手がFAになるまではいつでも行うことが出来ます。

ルーキースケール契約からの延長は、そのルーキー契約に加えて5シーズンまで延長できるので、都合延長時からほぼ丸々6シーズンまでの契約を結ぶことが出来ます。これに対して、そのほかの契約は残契約期間も含めて全部で5シーズンまで、延長契約単独では3シーズンまでに制限されています。

  ルーキースケール契約なら延長の際に契約額に特別の制限がかかることはなく、その選手のNBA在籍年数に応じた最高額までの契約を結ぶことが出来ます(但し期間は延長契約単独では5シーズンまでですが)。そのほかの契約では、延長初年度のサラリーは残契約の最終年のサラリーの110.5%までしか増額できません。また、延長契約初年度のサラリーはその選手がその年にFAになった場合に契約することができたMAX額を超えることも出来ません。したがって、既にMAX契約を結んでいる選手が延長した場合、延長契約の初年度のサラリーは残契約の最終年のサラリーの105%までの額となります。

  ここでちょっとした問題が生じます。以前に、契約の最高額はシーズンごとに設定される、と説明しました。では、金額が明らかになっていない段階で、将来発効する延長契約の内容をどのように設定するのでしょうか。こうした場合には、単に契約書には最高額契約で10.5%の昇給ありと書いておき、延長契約が発効するシーズンの最高額契約が分かり次第、必要であればそれに添った形になるように契約内容を修正します(大抵のサラリー一覧のサイトでは、現在のシーズンの最高額に添った形で表記されています。解説してくれる親切なサイトもありますが、多くの場合単に金額が表示されているだけなので注意)。

  実例をあげると、シャキール・オニール(当時LAL)は2000-01シーズンの開始前に、04-05シーズンから発効する延長契約に合意しました。彼のもともとの契約の最終年のサラリーは$23,571,429.20($23.5 mil)で、延長契約の初年度のサラリーは(当時のルールの最高額である)この額の112.5%、$26,517,857.85で設定されました。NBAに10年以上在籍している選手として、オニールの延長契約初年度のサラリーは契約最終年度のサラリー$23,571,429.20の105%か、リーグ全体で取り決められている最高額($15,344,000)のいずれか大きい方までしか認められず、したがって彼の契約額は$24,750,000.66(前者)までとなり、それに沿う形になるように契約額を下げてシーズンに臨むことになりました。また、2009-10シーズン現在、2010-11シーズンのブランドン・ロイ(POR)の契約額は2009-10シーズンの最高額契約の額をもとに$13,520,500と表記されていますが、この額が明らかになるのは2010年のJuly Moratorium経過後です。

  昇給については、ルーキースケール契約からの延長の場合は延長契約初年度のサラリーの10.5%まで毎年昇給が認められますが、そのほかの契約については昇給は残契約の最終年度のサラリーの10.5%までとなります。


(6) サイン&トレード

  自分のチームのFA選手と、最初からその選手のトレードを目的とした契約を結ぶことです。もともとの所属チームはFA選手を見返りなしに放出したくなく、相手チームもそのまま契約するには十分なサラリーキャップの空きがない場合などに用いられる手法です。実際にトレードが契約から48時間以内に行われない場合、契約ははじめから無効となります。詳しくはトレードの項で説明します。





1-3  契約の内容


(1) 契約額の制限について

(i) マックス契約、ミニマム契約(最高額契約、最低保障額契約)

  契約額には上限、下限がシーズンごとに定められており、NBAでプレーした期間によって変化します。以前は上限は設けられておらず、サラリーキャップ制度で十分選手のサラリーを抑えることができる、と考えられてきましたが、ラリーバード条項などの例外条項により、90年代には様相が一変、選手のサラリーは急騰しました。

  このような状況に対して、オーナー側はサラリーの上限を設けることを主張しますが、選手会はこれに全面的に反対、この衝突により1999年のロックアウトが始まりました。最終的には、選手会とオーナーが歩み寄り、最低保障額を大幅に引上げるかわりに最高額を設定することで両者がようやく合意、ロックアウトは終了します。

  シーズンごと、在籍年数ごとの最高額、最低保障額はコチラからどうぞ。

  なお、選手個人の最高額は、その選手の前年度のサラリーの105%を下回ることはありません。したがって、例えば、リーグ在籍10年のある選手のサラリーが2008-09シーズンに$19.2612ミリオン(最高額ちょうど)だったとすると、リーグ全体で決められている最高額は$18.9287ミリオンであるにもかかわらず、2009-10シーズンのその選手の最高額は$20.2242ミリオンになります。これはFAの際に新たなチームと契約しても同様で、前年度のサラリーの105%かリーグで決められている最高額のいずれか大きい方までの額で契約できます。

  また、最高額による制限は契約初年度にのみ適用され、2年目以降は最高額を超えても問題ありません。ただし年毎の昇給にも上限(年10.5%まで)があります。また、トレード・ボーナス(後述、以前の労使協定下での契約のみ)を契約に含めている場合にも、そのボーナス分に限り最高額を超過することが認められます。したがって09-10シーズン、リーグ最高額のサラリーをもらっているTracy McGradyはプロ14シーズン目で、リーグ全体で決められている最高額は$18,928,700ですが、彼はマジック時代にマックス契約にサイン、ロケッツに来てからも延長契約にサインしたため、現在$23,239,561ものサラリーをもらっています

  最高額契約においては、サラリーの30%まで、支払いを繰り延べることができます。なお、サラリーキャップについては、繰り延べ前の金額をそれぞれのシーズンのチーム・サラリーに計上します。

  最低保障額契約についても特則があります。3年以上NBAに在籍している選手が最低保障額の1年契約、10日間契約、残シーズン契約(10日間契約を2回結んだ後に結ばれる契約)下でプレーしている場合、リーグがその選手のサラリーにつき、在籍2年目の選手の最低保障額を超える分についてチームに償還することになっています。つまり、最低保障額でベテラン選手を雇う場合でも、チームは在籍2年目の選手に適用されるそのシーズンの最低保障額が実質負担額になる、ということです。例えば、2005-06シーズンに、リーグ在籍10年の選手と契約期間1年の最低保障額契約を結んだ場合、10年在籍の選手に適用される最低保障額($1,138,500)と2年在籍の選手に適用される最低保障額($719,373)との差額$419,127はリーグが負担してくれる、ということになります。更に、チーム・サラリーにも在籍2年目の選手に適用される最低保障額が計上されます。このような制度になっているのは、ロスターを最低保障額契約の選手で埋める際に、ベテラン選手の最低保障額が若い選手のそれに比べてかなり割高であることから各チームがベテラン選手を避ける、という事態を避けるためです。

(ii) ルーキースケール

  前述したとおり、1順目指名を受けたルーキーにはより厳格なサラリーの制限が課されます。詳しくは1-1を参照してください。


(2) 昇給の形態

  選手は契約の際に、契約の初年度のサラリーを基準として、翌年以降昇給を受けることができるよう取り決めておくことができます。通常の契約であれば契約の初年度を基準として、シーズン毎に一定の割合ずつその選手のサラリーが上がっていくことになります。注意しておきたいのは、シーズンごとに「契約初年度のサラリー」の一定の割合ずつ増える、という点で、前年度のサラリーから一定の割合が毎年加算されていくわけではないということです。つまり、契約初年度が$10ミリオン、昇給が10%の契約下にある選手は、初年度は$10ミリオン、2年目は$11ミリオン、3年目は$12ミリオン‥というように増えていくのであって、2年目に$11ミリオン、3年目に$12.1ミリオンというように増えていくわけではないということです。
  ちなみに、延長契約の場合は、延長する前の契約の最終年度のサラリーを基準として、その一定の割合が昇給の額となります。

  昇給の割合には一定の上限があり、「どのような方法を用いて契約したか」によって異なってきます。ラリー・バード条項、アーリー・バード条項を用いる、あるいは延長契約の場合、昇給は最大10.5%までとなります。一方で制限つきFAにオファーする場合、3シーズン目は、契約初年度にギルバートアリーナス条項による制限がなかった場合にチームが提示できた額まで昇給させることが可能です。それ以外の方法で結んだ契約については、昇給額は最大年8%までです(ルーキースケールについては指名順位によって決められています)。


(3) ボーナスについて

  契約に含めることができるボーナスは、3種類あります。成績に基づくインセンティブ(perfomance incentives)、学術や身体条件に基づくインセンティブ(academic/physical incentives)、その他の奨励のためのインセンティブ(extra promotional incentives)です。

  成績に基づくもの以外の2種類のインセンティブは、どんな場合でもチーム・サラリーに計上され、サラリーキャップに影響します。一方で成績に基づくインセンティブに関しては、リーグによって更に「達成の可能性が高いもの(likely to be achieved)」と「達成の可能性が低いもの(unlikely to be achieved)」に分けられ、前者はサラリーキャップにカウントされますが、後者はサラリーキャップにカウントされません。この分類については、主に前年その条件を達成できていたかどうかで、リーグ本部が判断します。例えば、前年に1試合平均7アシストをあげていた選手のインセンティブが「1試合平均7アシスト以上」であれば、そのインセンティブは「達成の可能性が高いもの」とされる可能性が高くなり、その選手のインセンティブの条件がもし「1試合平均8アシスト以上」であれば、そのインセンティブは「達成の可能性が低いもの」に分類される可能性が高くなります。達成の可能性が低いインセンティブは、各シーズンにおいてその選手のサラリーの25%までしか設定できません。また、契約初年度の選手については、チームはその選手のインセンティブを全て含めてサラリーキャップや各種例外条項におさまるようにしなければなりません。リーグは更に、キャップスペースが空いているチームには、そのシーズンに契約した全ての選手の達成の可能性が低いインセンティブを加えてキャップスペースを決定します。このことによって、チームが不当に多くの達成の可能性が低いボーナスを用いて、複数の選手と安価で契約することでサラリーキャップ制度を骨抜きにしてしまうことを防ぐことができます。

  各種例外条項を用いて選手と契約する場合、その選手のサラリー、更に達成の可能性が低いボーナスの合計分が計上されます。つまり、ミッドレベルエクセプションが5.5ミリオンで、2ミリオンの基本給と0.5ミリオンの達成の可能性が低いボーナスである選手と契約した場合、そのチームのミッドレベルエクセプションの残りは3ミリオンということになります

  インセンティブは、選手やチーム成績の向上など、プラスの条件で構成されなければならず、数字(得点やチームの勝利数など)か表彰されること(MVP、オールNBA1stチームなど)です。数を基準にする場合、その数字は具体的なものでなければならず、例えばFT%が80%を超えた場合、という基準は認められますが、前年のFT%より高い場合、という基準は認められていません。また、特定の日まで、或いは一定の期間ロスターに残っていたら、という基準も禁止されています。同様の理由で、きちんとした服装で試合会場に現れた回数を基準としても、インセンティブは認められません(→服装規程)。

  成績に基づくインセンティブは毎シーズンの開始時に再評価され、達成の可能性の高いもの、低いものにその都度振り分けられます。更に、選手がトレードされた場合にも再評価されます。例えば、成績の悪いチームがある所属選手に「チームが41勝したら」というインセンティブを設けていたなら、シーズン当初にリーグは「達成の可能性が低いもの」に分類します。しかしその選手がトレードでタイトルを争うようなチームに移籍した場合、そのボーナスは再分類され「達成の可能性が高いもの」となり、トレード先のチームのチーム・サラリーに加えられることになります。

  注意しておきたいのは、こうしたインセンティブの振り分けは前年度の成績に基づいて行われる、ということです。例えば、チームAが前年に25勝をあげており、チームBが55勝をあげていたとします。チームBにはMVPがおり、そのインセンティブが「チームが30勝したら」というものだった場合、シーズン当初はそのインセンティブは「達成の可能性が高いもの」に分類されます。ここで、そのMVPがチームAにドラフト指名権と引き換えにトレードされた場合、前年度MVPが加わったチームAは容易に30勝を超えるチームになるでしょうが、トレードされてからも尚、「30勝したら」というインセンティブは「達成の可能性が低いもの」に分類されることになります。これは、分類の基準がそのシーズンのチーム状況ではなく、その前のシーズンの結果に基づいて行われるためなのです

  09-10シーズンでいえば、デイビッド・リー(NYK)の「チームがプレーオフに進出したら1ミリオン上乗せ」というインセンティブがありました。結果は皆さん知っての通り。彼自身のスタッツよりもチーム成績をインセンティブの条件にするあたり、ニックスも彼のことをよく理解していると言えるでしょう。ちなみにこれは、前年度のニックスの成績に基づいて「達成の可能性が低いもの」に分類されています。


(4) 契約時ボーナス(signing bonus)

  各チームは所属選手に対し、契約時に契約総額の20%までの範囲でボーナスを設定することができます(2006年3月1日以降に契約した制限つきFAの選手に対しては17.5%まで)。契約時のボーナスが設定されている選手に対しては、そのボーナスは保証されている契約期間全てにわたって、各シーズンのサラリーの保証割合に応じて*振り分けられます(但しオプションのシーズン、ETOに続く次のシーズンは除く)。ここで問題となるのは、例外条項によって契約した選手や、マックス契約を結んだ選手に対してボーナスがどのように設定できるかです。例えば、ミッドレベルエクセプション(MLE)が$5ミリオンのとき、あるチームがMLEを用いてFA選手と年八分の昇給で5年の契約を契約時ボーナスなしで結んだとすると、以下のようになります。

Without Signing Bonus
Year Salary
1 $5,000,000
2 $5,400,000
3 $5,800,000
4 $6,200,000
5 $6,600,000
Total $29,000,000



  契約時ボーナスの最大値(20%)は$5.8ミリオンなので、契約している各シーズンにこれを振り分けなければなりません。このとき、契約初年度のサラリーは例外条項の上限である5ミリオン以下に抑えなければならないため、初年度のサラリーが減らされて以下のようになります。

With Signing Bonus
Year Base salary Portion of signing bonus Total
1 $3,875,969 $1,124,031 $5,000,000
2 $4,186,046 $1,124,031 $5,310,077
3 $4,496,124 $1,124,031 $5,620,155
4 $4,806,202 $1,124,031 $5,930,233
5 $5,116,279 $1,124,031 $6,240,310
Total $22,480,620 $5,620,155 $28,100,775



  注意しておきたいのは、初年度の契約額(サラリーとボーナス)を例外条項の$5ミリオン以下に抑えるため、初年度のサラリー自体は$3.84ミリオンに減額されなければならない、ということです。実際には、選手は契約初年度に大きな額の収入(初年度のサラリー$3.84ミリオンと契約時ボーナスの$5.8ミリオンをあわせた$9.64ミリオン)を得、それ以降は収入が少なくなる(各シーズンの基本給のみ)ということになります。但し、サラリーキャップに対しては、ボーナスがあろうとなかろうと常に各シーズンの契約額がカウントされます。

  以下の収入は、選手のサラリーを決める際に契約時のボーナスと同じように扱われます。

・選手に対する権利を得る際に、チームがNBAに所属しないチームやリーグに対して支払った金額のうち、$500,000($500k)を超えるもの
・バイアウト
・トレードボーナス


*契約時ボーナスの振り分けの仕組みはあまり合理的なものではありません。サラリーに応じてではなく、サラリーがどれだけ保証されているかに応じて振り分けられます。例えば上記の例で、最終年が50%しか保証されていない場合、$1,288,889が最初の4シーズンに振り分けられ、5年目のシーズンには$644,444が振り分けられることになります。
**サイン&トレードをするための契約に契約時ボーナスが含まれていた場合、通常は契約したチームが契約時ボーナスを他の契約と同じように払うことになっていますが、サイン&トレードは実質的にトレード後のチームと契約するのと変わらないため、ボーナスはトレード前のチーム、トレード後のチームいずれが払ってもよいことになっています。。但し、契約したチームが支払ったボーナスはトレードの際の現金の上限($3ミリオン)にカウントされることになります。したがって契約したチームが支払えるボーナスは、実質的には$3ミリオン以下に制限されることになります。


(5) 契約の再交渉(contract renegotiation)

  4シーズンかそれ以上の期間にわたる契約は、契約にサインした時、延長した時、または各シーズンのサラリーを8%以上あげるような再交渉に合意したときから数えて3年経つと、契約内容について再交渉(再協議、renegotiation)することが出来ます。再交渉は3月1日から6月30日までは出来ず、サラリーキャップを上回っているチームはすることが出来ません。キャップを下回っているチームは、その年のキャップ額を限界として選手の契約を再交渉することができ、昇給を再交渉した年のサラリーの10.5%の範囲までで設定することができます。契約時ボーナスを含めることはできません。また、再交渉によって契約額を下げる、契約期間を短くするといった選手側に不利になるようなことはできません。

  シアトル・スーパーソニックスのショーン・ケンプは長期の比較的安価な契約を結んでしまい、その間にNBA全体でサラリーが上がっていったにもかかわらず、ソニックスがキャップを超えていて再交渉ができないこと、また一瞬キャップを下回っていたシーズンオフに自分の契約の再交渉に応じずジム・マクイルベインに長期契約のオファーをしたことに腹を立てトレードを要求、97年のシーズンオフにキャップを下回っているクリーブランドへと移籍し、晴れて再交渉に成功、長期の高額契約を手にしました。ソニックスはそのトレードを機に徐々に低迷をはじめ、一時期レイ・アレンとラシャード・ルイスで盛り返すもののシアトルではそれ以降ぱっとしないまま、オクラホマシティーへと移っていってしまいました。


(6) その他の変更方法

  延長契約と契約内容の再交渉の他に、チームと選手は双方の合意に基づいて以下の方法によって契約内容を変更することができます。

・報酬の補償割合を変えること(例:サラリーの保証割合の変更)。バイアウトでの合意事項のひとつ。
・相殺権(right of set-off*)の放棄。バイアウトに伴うことが多い。
・給与支払い日程の変更。
・オプションやETOを契約から抹消すること。そもそもオプション、ETOは行使されない限りは契約条項とはならないので、選手に不利な契約変更にはならない。
・トレード・ボーナスの額の変更。但し変更できる額は、トレードの金額調整に必要な範囲内に限定される。
・オプション行使時期の変更(非常に稀)
・選手が参加してもいい外部活動のリストの変更(非常に稀)
・もし選手が一定の体調を維持しなかった場合にチームはその選手を出場停止にできる、という約款で定められた条項の変更。





1-4、 ロスター人数の制限


  各チームはそれぞれアクティブ・ロスター(登録リスト)に最低12人の選手を入れておかねばなりません(但し一度に二週間までなら、11人でも認められます)。また、毎試合最低でも8人の選手が出場できる状態でなければなりません。インアクティブ・リストには、最低でも1人、最高3人の選手を登録しておかねばなりません。こちらも一度に二週間までなら0人にでき、更に緊急時には、リーグの承認を得れば4人に増やすことも出来ます(Hardship Exception*)。インアクティブリストのプレイヤーは毎試合ごとに入れ替えることができ、各試合の60分前までに公式記録員にその試合のアクティブロスターの選手のリストを提出することになっています。したがって、1試合だけインアクティブ扱い、ということもできるようになっています。尚、各チームは13人の選手(12人のアクティブロスター入りしている選手と、1人のインアクティブ入りの選手)を雇っていればいいことになっていますが、リーグ自体はリーグ全体の平均が、チームあたり14人になるように調整しなければなりません。これをやぶると、リーグに罰金が科せられます

  2005年以前は故障者リスト(Injured Reserve)というのがインアクティブリストの役割を果たしていました。このリスト入りするには怪我をしていなければならなかったのですが、リーグによって認められた医者でなくても診断が出来たため、開幕直前に「腰痛(back spasms)」を発症し、そのままシーズンを故障者リストで過ごす、という選手が少なくありませんでした。この問題を受けて現在の労使協定の下では怪我要件を取り下げ、名称をinjuredからinactiveに変更しています(しかし皮肉なことに現在でも、出場機会の少ない選手は腰痛になることが多いのです)。

  尚、Dリーグに派遣された選手は自動的にインアクティブリストに登録されます

*Hardship Exception
  ロスター上の4人の選手が3試合以上出場できず、今後2週間以上試合に出場できない見込みの場合、チームはリーグに申請してこの例外条項を得ることが出来ます。この例外条項を用いることによって、そのチームはロスターの人数制限(15人)を超えて、新たな選手と契約を結ぶことが出来ます。この例外条項は2週間ごとに申請せねばならず、選手が復帰するか近いうちに復帰できるようになり、上記の条件を満たさなくなった場合は認められなくなります。尚2009-10シーズン、ブレイザーズはオデン、フェルナンデス、バトゥム、アウトロー、パトリック・ミルズ、プリジビラの怪我によって同時に2つのHardship Exceptionが認められるという、あまり嬉しくない事態に陥りました。





1-5、契約の際の禁止事項


(1) タンパリングの禁止(tampering)

  タンパリング(事前交渉)とは、選手或いはチームが直接または間接に、他のチームとの契約下にあるもの(選手、GMなど)に対して自分たちと契約するように誘惑したり、説得を試みたり、説得して実際に行動させることをいいます。NBAはタンパリングに対して非常に厳しい姿勢で臨んでおり、発見された場合にはかなり厳しい罰が課されます。ですが、リーグは一方のチームからの訴えがなければ捜査を開始しないことになっています。以下が過去にあった買収の例です。

・マイアミ・ヒートが当時まだニューヨーク・ニックスのHCだったパット・ライリーに対しタンパリングを行っていたことが判明した。ヒートは事態収拾とリーグからの制裁回避のため、ニックスに$1ミリオンの現金と96年のドラフト1巡目指名権を補償として譲渡し、結局ライリーはヒートのHC職に収まった。
・1999年のオフシーズン、ウィル・パデューがスパーズを出てブルズと契約する際、メディアに対しティム・ダンカンやグラント・ヒルがブルズと契約する可能性について言及した。リーグはこれをタンパリングとみなし、パデューに訓戒を発した。

  お気づきの方もいるかもしれませんが、GMやその他チームの職員が記者に話す際には、他のチームに在籍している具体的な選手の名前を出さないように注意を払っています。これは、タンパリングを疑われるのを避けるためなのです


(2) 協賛企業へのサラリー分割の禁止

  NBAは外部の個人や組織がチームのために、或いはチームの要請に応じて、チームがサラリーキャップ制度を潜脱するために選手に金銭を支払うことを禁止しており、疑わしい場合には捜査に入ります。もしそのようなことが発見された場合にはチームが制裁を受けます。初めての違反の場合、$2.5ミリオン以下の罰金、1巡目指名権の剥奪(ひとつまで)、その選手の契約を無効化のうちいずれか、或いはこれらの組合せた制裁が下り、違反回数に応じて制裁は引上げられます。

  尚、同様の理由から選手兼コーチになることも禁止されています。サラリーキャップ制度の枠内にある選手としての給料を低めに払い、キャップ制度枠外にあるコーチへの給料を高めに支払うことでキャップ制度を回避することが出来てしまうためです。


(3) 密約の禁止

  もしあるチームが、リーグに報告せずに選手と直接合意に達した場合、制裁はサラリーキャップ潜脱のために個人や企業が金銭を支給する場合よりも厳しくなります。リーグはこうした違反行為を何よりも重く受け止めており、リーグは違反行為に関連した全ての主張を調査します。チームに対する制裁は、$5ミリオンまでの罰金、複数のドラフト指名権の剥奪、選手の契約の無効化、そして関わった者に対する出場停止(最大1年)のいずれか、あるいはこれらを組み合わせたものになります。加えて、選手自身も10万ドル($0.1ミリオン)の罰金と、将来にわたってそのチームとの契約が禁止されるという制裁が下る可能性があります

  2000年、このような事態がウルブスとジョー・スミスの間で起こっていたことが明るみに出てしまいました。スミスは99年(ロックアウト後)にシクサーズを離れ、ウルブスとミッドレベルエクセプションの一部の$1.75ミリオンの契約で合意していましたが、その際に密約が交わされ、ラリーバード条項によって2001-02シーズンから大型の契約を結ぶことを見返りとして、ウルブスとスミスは市場価値を下回る金額で1年契約を3年間続けることに合意していたのです。残念ながら彼らはこの合意を書面にしており、この書面がリーグの手に渡ることで事態が明るみに出てしまったのです。

  随分前から密約の存在は噂されていましたが、リーグが書式になっている動かぬ証拠をつかんだのはこれが初めてのことでした。リーグはこの事態に対し厳罰をもって臨み、当時最高額の$3.5ミリオンの罰金、ウルブスの向こう5年のドラフト1位指名権の剥奪(2003年と2005年分については後ほど返還)、更にスミスの契約の無効化を宣告しました。また、オーナーのグレン・テイラーとGMのケビン・マクヘイルは、一定の期間の関与禁止の代わりに”Leaves of Absence”(被用者としての地位は維持されるが、事実上その職にはついていない状態)に同意しました。また、興味深いことにリーグはスミスの既に満了している1年契約2つも無効とし、そのことによって当時キャップをオーバーし、また例外条項を使い切っていたウルブスはベテラン最低保証額以上の額でスミスと再契約することはできなくなり、スミス自身はピストンズと契約するに至りました。しかしその翌年の2001年、結局スミスはウルブスと契約を結んでいます。


(4) July Moratorium期間中の契約の禁止

  契約を満了する選手はその年の7月1日付けでフリーエージェント(FA)となりますが、リーグの監査報告書が出揃う7月中旬までサラリーキャップの設定が出来ないため、この間にはほとんどのFA選手が契約できず、またチームはトレードをすることができません。この期間中、各FA選手は契約を交渉することは出来ますが、このモラトリアム期間が終了するまでは実際に契約をすることは出来ません。July Moratoriumの期間は以下の通りに定められています。

Season July Moratorium Players may be signed beginning
2005-06 July 1, 2005 through August 1, 2005* August 2, 2005
2006-07 July 1, 2006 through July 11, 2006 July 12, 2006
2007-08 July 1, 2007 through July 10, 2007 July 11, 2007
2008-09 July 1, 2008 through July 8, 2008 July 9, 2008
2009-10 July 1, 2009 through July 7, 2009 July 8, 2009
2010-11 July 1, 2010 through July 7, 2010 July 8, 2010
2011-12 July 1, 2011 through July 7, 2011 July 8, 2011



  July Moratoriumの期間中でも結ぶことが許されている契約もありますが、ほとんどがサラリーキャップとは関わりを持たないものです。

・一巡目で指名した選手との契約(ルーキースケール契約)
・ニ巡目で指名された選手の所定のオファー(required tender*)の受諾
・制限つきFAのクオリファイイング・オファーの受諾
・ルーキースケールの4年目を終えた制限つきFA選手は、マキシマム・クオリファイイング・オファー(maximum qualifying offer)を受諾することができる。但し具体的な金額は契約限度額が明らかになるJuly Moratorium終了後に決定される。
・2シーズンまでの最低保証契約

*指名したチームは、指名選手の権利保持のために必ず提示しなければならない。もし指名された年の7月16日までに一巡目指名した選手にこれが提示されず、ルーキースケールの契約もなされなかった場合、その選手はルーキーフリーエージェントとなる。ニ巡目指名の選手にもこの提示を9月6日までにしなければ、同様にルーキーフリーエージェントとなる。オファーの内容は一巡目指名の選手ならルーキースケール、二巡目指名の選手なら1年(+チームオプション)以上となる。
**マキシマム・クオリファイイング・オファーとはルーキースケールの4年目を終えた選手に対し、所属チームが出すオファーの一種。内容は通常のクオリファイイング・オファー(ルーキースケールに基づいた額の1年契約)と異なり、オプション、ETO無しのマックス契約(6年間)。選手が受諾すれば契約になるし、受諾しなければ通常の制限つきFAと同じになる。滅多に見られない(通常このオファーを出すくらいならシーズン中に延長交渉をしているため)。

  上記の契約以外は、モラトリアム期間が終了するまではサインできません。



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2  契約の終了とフリーエージェント


契約は、大きく分けて次の二つの場合に終了します。
・契約期間の終了
・解雇(ウェイブ)
・契約買取(バイアウト)
一旦契約を終了した選手はフリーエージェントとなり、原則として元の所属チームに縛られることなくどのチームとも契約を結べるようになります。但し、フリーエージェントには
・制限なしFA
・制限つきFA
の二種類があり、制限なしFAとなった選手ははどのチームとも自由に契約ができますが、制限つきFAとなった選手は新しいチームとの契約にサインしても、元々所属していたチームが期間・金額などが全く同じ内容の契約を提示する(マッチ)と強制的に元の所属チームとの契約が有効になってしまう、という意味で制限されています。なお、制限つきFAの選手でも、所属チームがマッチしなければ新たなチームとの契約が有効になりますし、新しいチームとの契約にサインせずにクオリファイイング・オファーという所属チームの所定の契約オファーを受け入れて1年契約を結べば、1年後には晴れて制限なしFAとなることができます。



2-1、契約の終了


(1) 契約期間の終了(まとめ)

  契約は予め決められた期間が過ぎれば満了します。原則として期間はシーズン単位で、満了するシーズンの6月30日までですが、10日間契約と呼ばれる契約期間が10日間か3試合までのもの、或いはシーズン途中にそのシーズン残りのみを期間とする契約もあります。契約期間には上限があり、またオプションの行使/非行使によって契約期間は変化します。

  契約が終了すると、契約が延長されていない限り選手はFAになります。


(2) 解雇 – ウェイブ(waive, waiver)

  ウェイブとは、チーム側がほぼ一方的に合意なしで選手を解雇することです。但し、ウェイブした場合でも原則としてその選手のサラリーの残金は支払わねばなりません。

  厳密には、一般的に使われている「ウェイブ」という用語は、正確には「ウェイバー方式で放出する」ことをさします。このウェイバーとは、契約途中で放出された選手が一時的におかれる「再雇用待ち」状態のことをさし、ウェイバー期間中は他チームがその選手を獲得することができます。獲得したチームはその選手の契約をそのまま得て、残りのサラリーを選手に、更に$1,000をリーグ本部に払うことになります(この場合元々所属していたチームはその選手の契約から解放されます)。なお、獲得にあたっては、チームは以下の条件のうちいずれかひとつは満たしていなければなりません

・その選手のサラリーを含めてもチームサラリーがサラリーキャップを下回っていること
・少なくともその選手のその年のサラリー金額分の故障選手条項(Disabled Player exception)をもっていること
・少なくともその選手のその年のサラリー金額分のトレードエクセプション(Traded Player exception)をもっていること
・獲得選手の契約期間が1シーズンないし2シーズンで、サラリーが最低保証額であること
・複数のチームが競合した場合、その中で最も成績が悪いチームであること

  ウェイバー期間は、
・8月15日からレギュラーシーズン終了(4月半ば)までにウェイブされると48時間
・それ以外(レギュラーシーズン終了から8月15日まで)は7日間
で、ウェイバー期間中に他のチームが獲得に乗り出した場合、選手側からはこれを拒むことはできません。

  このウェイバー期間中に他チームから声がかからないと、選手はウェイバーから外され、”Cleared Waiver”になります(完全FA)。そうなった時点で、ウェイブされた選手は自分の選んだチームと自由に契約を交わすことができるようになります。ここで契約した場合、そのチームは新しい契約に従った金額を払えばよく、ウェイブしたチームがサラリーの残金のうち支払いが保証されている部分を選手に引続き支払わねばならなくなります。なので、新しく雇うチームが支払う金額は「新契約分のサラリーのみ」となります(大抵は最低保証給です)。したがって実際にはウェイバー期間中にウェイブされた選手に声がかかることは稀で、ウェイバー期間が過ぎてから最低保証額で契約することが多いです(2009年のステフォン・マーブリー)。

  なお、ウェイブすることによって新規チームとの契約が自由にできるようになるという点を利用して悪用される恐れがあるため、以下のような制限があります。

・3月1日以降にウェイブされると、新チームと契約してもそのシーズンのプレーオフに参加することができません。これは元のチームはプレーオフに出られずシーズン終了→ウェイブして、その選手は残シーズン契約で別のチームでプレーオフ参加→経験を積んだ上でシーズンオフに元のチームと契約、という悪用を防ぐためだと言われています(HOOP2000年6月号より)。
・トレードされたプレーヤーが行った先のチームでウェイブされることはよくありますが、この場合には、トレードの日から数えてシーズン中なら30日間、シーズンオフなら20日間は、以前に在籍していたチームとは契約できません。


2009-10シーズン、キャブスはウィザーズからトレードでアントワン・ジェイミソンを獲得し、更にウィザーズからウェイブされたイルガスカスを30日間待って最低保証額で再契約しています。ちなみにウェイブから元のチームへの出戻りがもし事前に両チーム間で交渉されていたものである場合、密約にあたり厳罰が下されます。この件でもリーグが一応調査をしましたが、結局お咎めなしでした。2008-09シーズンではアントニオ・マクダイスが、ナゲッツとピストンズのアイバーソン⇔ビラップスのトレードの際にビラップスと共にナゲッツに行ったものの、デトロイト以外でのプレーを拒否。仕方なくナゲッツは彼をウェイブし、30日後に彼はデトロイトの地に戻ってプレーを再開したというエピソードがありました。その8ヵ月後、彼はピストンズからFAとなり、スパーズと契約、「デトロイトがチャウンシーをトレードしたのはひどい間違いだった。チームケミストリーが完全に失われてしまった」と発言しています。

  なお、ウェイバー期間を過ぎた選手が新たに他のチームと契約した場合に、元のチームはその選手に支払うサラリーの額をある程度へらすことができます。この権利を”set-off right”と呼びます。

  例えば、5年目で、残契約1年(保障つき)の選手が2005年のオフシーズンにウェイブされた、とし、セットオフについて何も規定しなかったとしましょう。この選手が2005-06シーズン、$1ミリオンの契約にサインすると、彼の元々在籍していたチームは、計算規則にしたがって
(1,000,000 – 641,748) * 1/2 = 179,126
179,126ドルのサラリーの支払いが免除されます。この選手のもともとの契約が$5ミリオン)だった場合、彼の元所属チームは結局、その選手に$4,820,874(約$4.82ミリオン)を支払えばいい、ということになります。

  ちなみにその選手が得る額は、減額された元のサラリーと、新契約のサラリーを合わせて$5,820,874(約$5.82ミリオン)となります。

  2009オフ、Fabricio Obertoは2009-10シーズンのサラリーが$1,900,000まで保証されていたにもかかわらず、スパーズからピストンズにトレードされた直後にウェイブされました。その後、2009オフの間に彼はウィザーズと隔年条項(バイアニュアルエクセプション)を用いて$1,990,000の契約を締結した結果、(1,990,000-736,420)*1/2よりピストンズは$626,790の支払いを免れ、ピストンズの2009-10シーズンのチーム・サラリーにカウントされたオベルトの契約額は$1,273,210となりました。ちなみにこのset-offを滅多に見かけないのは、大抵の場合は保証付のサラリーを持つ選手は交渉によってバイアウトし、その際にset-offをチームに放棄させてしまうからです。但し「○月○日までにウェイブされた場合、$~までしか保証しない」というような選手をトレードで引き受けた場合(キャップスペースを確保するためによくとられる手法です)チーム側には多くの場合バイアウト交渉をしている時間的余裕がないため、有無を言わさずウェイブしてキャップスペースを確保するのが普通です。オベルトの場合、トレードが6月23日、ウェイブが期限一杯の6月30日(7月1日までにウェイブされなければ全額にわたって保証つきとなる)なので、ぎりぎりまでバイアウト交渉をしたものと思われますが、恐らく上手くいかなかったのでしょう。


(3) 契約買取 – バイアウト(contract buyout)

  チームと選手が合意して、契約関係を解消することです。結局はウェイブすることになるのですが、以下のような事項に合意する点で大きく異なります。

・チームが選手をウェイブすること
・ウェイバー期間が経過して”cleared waiver”になった場合は、選手に認められていた技術不足による解雇に対する補償額が、減らされるか完全に抹消される
・残りの給与支払期日の変更(オプション)
・セット・オフの権利の放棄(オプション)

  例えば1997-98シーズンに先立って、セルティックスとディノ・ラジャの間で契約をバイアウトしました。このときは、ラジャの契約の補償条項をサラリーの50%にまで減らすことで両者は合意し、セルティックスは彼をウェイブ。ウェイバー期間終了後、彼は契約の50%の支払いを受けて契約の拘束から解放され、ヨーロッパへと帰っていきました。

  ですが、複雑なケースもあります。1999-00のシーズンでは、ジョン・スタークスのバイアウトを巡って仲裁者の判定を必要としたことがありました。1月10日を過ぎると、その時点で存在した契約は全て保障つきのものとなり、基本給の全額が支払われることが確定します。一方で、能力不足による解雇に対する補償条項は、能力不足を理由にウェイブされた後の選手のサラリーを保障するものです。しかし、もし1月10日以降にウェイブされた場合、ウェイブされた選手はサラリーを既に保障されているため、補償条項は適用される余地がありません。したがって、能力不足による解雇に対する補償額の減少、あるいは補償条項自体の抹消に両者が合意しても、その選手はなお基本給の全額を契約として負っていることになります。したがって、チーム側としても「どのみちサラリーを全額支払うなら今放出したくはない。契約が満期になってからでも同じではないか」となるわけです。

  スタークスはブルズにトレードされた後、1月10日を過ぎてからチームを離れたいと考え、チームも放出に大筋同意していながらも上記の理由から平行線をたどる交渉に苛立ち、決着をつけるためにリーグに仲裁を申し出ました。その判定の結果、選手の契約が最終年ならばその1月10日以降に発生する保障を、合意によって無効にしても構わないという裁決が出たのです。これによってスタークスとブルズは合意に達し、スタークスに一切金銭は支払われないままバイアウトは成立しました。但しこの仲裁によってバイアウトは遅れ、プレーオフ出場禁止となる3月1日を過ぎてからバイアウトが成立しました。スタークスはこの点についても例外を認めるよう要望を提出していたのですが、こちらは却下されてしまいました。

  バイアウトは、「もうお互い嫌だから多少減額してでもこの仲を解消しましょう」という時や、或いはチームがラグジュアリー・タックスの支払額を減らすために頻繁に用いられる手法です。実際、選手側も契約を結んでいることはいいことばかりではなく、「あれはするな」「これはダメ」という条項が山ほどあるので、選手にとってもバイアウトする利益はあります。何より新チームと契約できますし、働いていないのに(多少減額されているとはいえ)かなりの給料を得ることができますので。。


(4) Dリーグへの送致(D-League assignment)

  NBAのチームは、原則として同じ時期に2人までのNBA在籍年数2年以下の選手をDリーグと呼ばれるNBAの下部組織に送ることができます。送致している期間中も原則として元のNBAチームに所属している状態は続きますが、送致された時点でチームのインアクティブ・リストに入れられ、所定の手続きをとってDリーグから呼び戻され、アクティブ・リストに戻らなければNBAの試合には出場できません。送致期間に制限はなく、いつでも送致できいつでも呼び戻すことが可能ですが、1人の選手につき1シーズン3回までしか送致できません。送致された選手も従来通りNBAチームとの契約下にあり、サラリーを受け取ります。

  Dリーグのロスターは通常10人で構成されており、送致されたNBA選手がいる時には最大12人まで拡張可能なのですが、協賛チームが多いDリーグのチームでは複数のNBAチームから選手が派遣されることもあり、12人の枠を超えてしまうケースもあります。その場合には新たに派遣される選手は、そのチームが協賛していない別のチームに派遣されることになります。

  尚、Dリーグに在籍している選手でNBAに3年以上在籍していた経験のある選手は、NBAから一旦解雇された後にDリーグに所属している選手です。彼らの大部分は扱いとしては完全FAで、どのチームとでも好きなように契約を結べますが、上記の制度にのっとって派遣された選手はNBAチームとの契約に依然として拘束されているため、何らかの形でその契約を解消しなければ他チームとの契約はできません。





2-2、 フリーエージェント


(1) 制限つきFAとクオリファイイング・オファー

  フリーエージェントには、「制限なしFA(unrestricted FA)」と「制限つきFA(restricted FA)」の2タイプがあります。制限なしFAの選手は、在籍しているチームの意向に関わらず、どのチームとでも好きなように契約を結ぶことができます。それに対して制限つきFAの選手は、他のチームと新たな契約を結んでも、在籍していたチームが同内容の契約を提示すれば強制的にその選手を残留させることができます。これは「優先拒否権(right of first refusal)」と呼ばれ、同内容の契約を提示して選手を残留させることを「マッチする(match)」といいます。

  FAは通常「制限なし」で、以下の一定の条件を満たす選手が例外的に「制限つき」のFAになる資格があります。

・ルーキースケール契約の4年目を満了した選手
・ルーキースケール契約以外の契約を持つ選手で、NBA在籍年数が3年以下の選手

  基本的にはルーキーの時に結んだ最初の契約が終了したら制限つきFAになるものだと考えてもらってOKなのですが、例外として、ルーキースケール契約の3年目、4年目のチーム・オプションが行使されずにFAになった選手は制限つきFAになりません。ま、その選手をキープしたいなら最初からオプション行使しておけばいいだけのことです。

  更に、実際に選手を制限つきFAにするには、チームはクオリファイイング・オファー(Qualifying Offer)と呼ばれる、期間1年で、かつ予め決められた額の契約を選手に提示する必要があります。この契約オファーをチーム側に義務付けることによって、選手は所属チームに残らなければならないかもしれないというリスクを負う代わりに、契約のオファーがどこからも来なくても最終的にはクオリファイイング・オファーに合意すれば1年間のサラリーは保証される、ということになります。また、他のチームに行きたい場合は、敢えてクオリファイイング・オファーを受け入れて1年そのチームで過ごし、翌年晴れて制限なしFAになって移籍するほうが得策である場合もあります。ヘタに希望チームと結んだ複数年契約にマッチされたりすれば、再びそのチームで何年も過ごすことになるかもしれないわけですし、新しいチームの側にしてみてもマッチされるかもしれず、その間キャップスペースを(もしマッチされれば「ムダに」)埋めてしまうというリスクをとる分、制限つきFAに対する大型契約の提示には及び腰になりがちなので。

  クオリファイイング・オファーの額はルーキースケール契約からFAになる選手なら、4年目の額に一定の割合を上乗せした額
(4年目のサラリーの130%~150%。1位指名の選手は130%で、順位が下がるにつれて徐々に割合が大きくなり、29、30位指名の選手は150%)、そうでない在籍年数3年以下の選手に対しては、契約最終年のサラリーの125%か、その選手の最低保証額に$175,000を加えた額のどちらか大きい方がクオリファイイング・オファーの額になります。

  また、クオリファイイング・オファーは選手の合意がなくとも7月23日以前ならいつでもチームから一方的に撤回することができるのに加えて、提示されたシーズンの3月1日までにサインしないと自動的に無効になります。この締め切りは、10月1日から3月1日の間に収まってさえいれば自由に変更することができます。撤回した場合はその選手は制限なしFAになりますが、締め切りをすぎてなお選手が新しい契約をどのチームとも結ばなかった場合は、クオリファイイング・オファーのみが無効になり、相変わらず選手は制限つきFAのままになります。ただしクオリファイイング・オファーが無効になっても、元所属チームと選手は一から交渉して新たな契約を結ぶことができます。

  あまり話題には上りませんが、クオリファイイング・オファーには亜種があります。ルーキースケール契約の4年目を終えた選手に対して、所属チームは通常の、期間1年で一定額のクオリファイイング・オファーの他に、マキシマム・クオリファイイング・オファー(maximum qualifying offer)とよばれる契約を提示することができます。マキシマム・クオリファイイング・オファーは期間6年でオプションやアーリー・ターミネーション・オプション(ETO)、ボーナスなど一切の余計な条項をつけることはできず、全期間、全額にわたって保証つきの最高額契約でなければなりません。チームがマキシマム・クオリファイイング・オファーを提示した場合、他のチームが提示するオファー・シートに対する制限が若干厳しくなります(後述)。もっとも、最高額をクオリファイイング・オファーで提示するような選手に敢えてオファーするチームがあるとも思えないので、この制限は実質あまり意味をなしません。というかそもそも無条件の最高額契約で残す覚悟があるなら最初から延長契約をするはずですし、最高額での延長契約交渉が破綻するほど選手とチームの間の信頼関係がない選手に対して、6年間も在籍を強要するチームはまずないので、実質あまり制度としては役に立つ場面は少ないかと思います。絶対にチームには戻りたくない、と表明している選手に対してこのオファーをすれば、所属チームは最高額契約のリスクを負わずに他のチームを契約しにくくすることはできるでしょうが、実質それくらいの効果しかありません。

  所属チーム以外のチームが制限つきFAの選手と契約しようとする場合、まず選手がそのチームが提示してきた契約の「オファーシート(offer sheet)」にサインする必要があります。通常の契約オファーとは違い、サインすれば即契約成立にはならないためオファーシートという名称が用いられていますが、その点を除けば通常の契約のオファーと同じものです。所属チームはそのオファーシートの「主要な」契約条項(principal terms、後述)にマッチするかどうか、7日間の猶予を与えられます。オファーシートの内容は、最低でも期間が2年以上のものである必要があり、マキシマム・クオリファイイング・オファーの場合は3年以上である必要があります。この期間の計算にオプションの年を含めることはできません。もし所属チームが主要な条項にマッチすることで優先拒否権を行使すれば、その選手は所属チームとの契約下におかれます(主要なもの以外の契約条項は、その後の交渉で変更することが可能です)。所属チームがマッチせずに7日間が経過した場合、オファーシートの内容がそのまま契約になり、オファーシートを提示したチームに在籍することになります。

  オファーシートの「主要な」条項というのは、CBAによると…「金銭に関係のない報酬を含んではならない。加えて、主要な条項は以下に限定される。
(i) 新たに契約するチームが支払うか、或いは権利を与える予定の、(ルールにしたがって)調整され、具体的な数字になっている契約時ボーナス、基本給、繰り延べ給与。支払期日、分割方法が明示されている必要がある。
(ii) 現金で支払うことのできるインセンティブ。但し以下の項目に更に限定される。(A) 在籍チーム、オファーシートを提示したチームのどちらの成績に基づいても、「実現可能性が高い(likely)」インセンティブに分類されるもの。(B) 選手会とNBAから一般にリーグの賞与として認められているものに関するインセンティブ
(iii) ルール上認められている、契約に関する修正条項(例; 解雇に対する補償、アーリー・ターミネーション・オプション(ETO)、割り当てられたボーナスなど)」

  カリフォルニア大バークレー校のビジネススクールの研究記事より。なぜこんな由緒正しい大学でこんな研究をしているのかは不明ですが。

まとめると、制限つきFAの選手には実質4つの選択肢があることになります。
・在籍していたチームのクオリファイイング・オファーを受け入れ、1シーズン残留した後、翌夏に制限なしのFAになる。
・マキシマム・クオリファイイング・オファー(提示されているなら)を受け入れ、最高額で長期間プレーする。
・他のチームのオファーシートにサインして、在籍していたチームにマッチする機会を与える。
・クオリファイイング・オファーに関係なく、在籍していたチームと新しい契約を別途に交渉する。

*但し以前の契約がルーキースケール契約でないリーグ在籍年数2年以下の選手は、クオリファイイング・オファーを受け入れても在籍年数が4年になるまで毎年制限つきFAになります。都合、リーグ入り当初の契約が1年契約の選手は最大3回までクオリファイイング・オファーを受け入れる可能性があります。但しこれはルール上の話で、実際にはチームか選手かどちらかが折れるのでほぼ起こりえない事例です。2回くらいならあるかもしれませんが。

  そのほかの決まりとしては…
(i) マッチしなかったことに対する見返りを出すことは許されていません。例えばマッチしなかった代わりにドラフト二巡目指名権を無償で譲与する、など。コミッショナーのチェックが入り、そのような疑いのあるトレードは許可されない可能性もあります。
(ii) 一度在籍していたチームがマッチを表明すると、その選手をサイン&トレードで放出することは許されていません。
(iii) 在籍していたチーム、選手、オファーシートを提示したチームの三者が合意すれば、マッチの期間が経過するまではオファーシートを撤回することができます。

  オファーシートの内容に関する制限は、他にもギルバート・アリーナス条項と呼ばれる制限がありますが、その説明は(2)にて。

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