親愛なるフェニックスの人々へ
もう既に多くの皆さんがご存知の通り、私のフェニックス・サンズでの8年間のキャリアは終わりを告げましたが、最後に、フェニックスに住む人々、そして素晴らしいサンズのファンの方々へ、キャリアを通じて応援し続けてくれたことに「ありがとう」と言いたいと思います。選手がチームを変えることはプロバスケットボールのビジネスの一部で、サンズの組織、チームメイト、コーチング・スタッフ、そして多くのファンから離れるのは辛い、と簡単に言ってしまうと、私の本当の気持ちは伝えることができないのです。
あなた方全員に知っておいて欲しいのです。私は、ありがとうという気持ちと、そして、フェニックスの人々、コランジェロやサーバーの一家、チームメイトやコーチから長年の間いつも感じていた応援に対する、温かい思い出と感謝の念を胸いっぱいに抱きながら、フェニックスを去るということを。
ここにやってきたとき、私はまだ19歳の子供でした。ここで、私は一人前の大人になりました。ここで、私の娘たちは生まれました。ここで、この先も大切にしていきたい友情が芽生えました。
さようならを言うつもりはありません。ただ、いつも私の家族の一部だと思っている素晴らしいフェニックスの人々へ。また、いつか。
WITH LOVE AND RESPECT
AMAR’E
アマレがアリゾナの地元紙、Arizona Republicに出した1ページ広告より。かなり意訳しています。
原文のバックのバスケットコートの写真をよーく拡大してみると分かるのですが、「アメリカ・ウエスト・アリーナ」時代のホームコートです。
Archive for 2010年7月
アマレからの手紙
Posted by placeinsuns : 2010/07/20
Posted in 退団, News, Summer of 2010 | タグ: Amar'e Stoudemire | 3 Comments »
サラリーキャップとは?更新分 – 制限つきFA
Posted by placeinsuns : 2010/07/13
サラリーキャップとは?の更新分です。今回からホームの記事に更新した分を載せて、若干通読しやすくしてみました。誤字脱字、間違いの指摘はいつでも大歓迎です。最近はLarry CoonさんのNBA Salary Cap FAQをまるまる訳している部分が増えてきてしまいました。。当初はそうでもなかったのですが…ちと長いですしサンズには関係ないので、「続きを読む」からどうぞ。
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アマレのサラリーとサラリーキャップ
Posted by placeinsuns : 2010/07/07
一応このブログはサラリーキャップ解説ブログでもあるので、アマレの契約の詳細について…。とりあえず感想は心の整理がついてからにして、まず決まりきっていることから始めます。細かい話はどーでもええねん!という方はとばしちゃってください。
NBAでは、リーグ全体で選手個人の契約の最高額が決められています。NBAの在籍年数に応じて最高額は決められており、これによると、2009-10シーズンは在籍年数0~6年の選手は$13,520,500、7~9年の選手は$16,224,600、10年以上の選手は$18,928,700(18.9ミリオン)がサラリーの上限となります。一方でTracy McGradyやKobe Bryant、Jermaine O’Nealなどは20ミリオンオーバーのサラリーを受け取っています。アマレも契約額を96ミリオンジャストとして計算すると、初年度は$16,551,724となり、リーグ全体の最高額をオーバーしています。これがどういうことかというと…
(i) この最高額は、前年度のサラリーの105%を下回ることはない
つまり、リーグ全体で取り決められている最高額と前年度のその選手のサラリーを1.05倍したものとを比較して、高い方がその選手の最高額となる、ということです。
(ii) 最高額に拘束されるのは複数年契約なら契約の最初の1年のみで、その後は拘束されない。
つまり、最初の1年さえリーグ全体の最高額か前年度のサラリーの105%を守っていれば、翌シーズンからのサラリーはそのルールには拘束されません。但し、各シーズン間の昇給率にも上限があるため(後述)、全く自由に金額を決定できるわけではありません。
T-Macもコービーもジャーメインも、いずれも最高額を超えたサラリーを受け取っているのは以上のような理由によります。延長契約に関するルールはまた少し違いますが、ただでさえ細かい話なのでまたの機会に。そのうちサラリーキャップとは?に書こうかと思います。
次に昇給率について。NBAの選手の契約は、複数年契約の場合初年度のサラリーについては、最低保証額以上の金額で、上述の最高額を超えない限りかなり柔軟に決定することができますが、2年目以降は上限の額が「前年度の契約+
初年度の額の一定の割合(昇給分)」に拘束されます。例えば昇給率が契約各年に一定の5%の選手の契約初年度のサラリーが$10,000,000(10ミリオン)なら、2年目のサラリーは「$10,000,000+10,000,000*0.05」から$10,500,000、3年目のサラリーは「$10,500,000+10,000,000*0.05」から$11,000,000となります。この昇給率にもやはり上限があります。限界は、以下のように変化します。
(i) ラリーバード例外条項、アーリーバード例外条項を用いて契約した場合、10.5%まで
3シーズン以上FAでチームを移籍したことがなくウェイブされたこともない選手(トレードは関係ない)が、
FAになる前の在籍チームと契約する場合には、原則として在籍チームがサラリーキャップを超えても契約することができます。この例外条項を用いて契約する場合、昇給率は10.5%までとなります。アーリーバード例外条項はラリーバード例外条項の短縮版で、こちらは2シーズン以上のものになります。年数の縛りが短いかわりに、こちらは初年度のサラリーの上限額が少なくなっています。が、昇給率の上限は変わらず10.5%です。
(ii) そのほかの契約は、8%まで
原則として昇給率は8%までです。FA選手が新たなチームと契約する場合にもこれに該当し、昇給率は8%までとなります。
このほかにもルーキースケール契約、ギルバート・アリーナス条項に該当する制限つきFA選手、延長契約選手には別の規程がありますが、割愛します。
最後に契約年数について。これも上限があります(以前は10年契約なんてのもあったのですよ)。
(i) ラリーバード例外条項を用いて契約した場合、6年まで
(ii) その他の契約の場合、5年まで
以上のルールからアマレの契約額を分析すると、初年度のサラリーの最高額は、アマレの2009-10シーズンの$16,378,325の105%、つまり$17,197,241でサンズもニックスも共通で、昇給率、契約年数に差が出ます。これがサイン&トレードへのわずかな望みを残しています。
(i) ニックスの契約
ニックスの場合、アマレの在籍チームではないので当然ラリーバード例外条項もアーリーバード例外条項も用いることはできず、昇給率は8%、契約年数は5年が最長となります。これに基づいてニックスの最高額を計算すると、契約初年度は$17,197,241で、昇給額は各シーズン$1,375,779、計5年$99,743,999(最終年の2014-15シーズンは$22,700,358)となります。これに対して実際の契約額は5年96ミリオン。ニックスが今年のFAに賭けているのは明白な事実ですので、合計額が同じならなるべく初年度の契約額を下げて、今年のキャップスペースを広げようと考えるはずですので、毎年の昇給率を恐らく上限の8%にして契約初年度(2010-11シーズン)のサラリーをなるべく下げようとするでしょう。この予測にしたがって、総額を96ミリオンちょうどとして計算すると、初年度は$16,378,325、昇給額は$1,375,779となります。
(ii) サンズの契約
サンズの場合、当然ラリーバード例外条項を用いて契約することになるので、昇給率は最大10.5%、年数は最長6年です。これに基づいてサンズの最高額を計算すると、契約初年度は$17,197,241で、昇給額は各シーズン$1,805,710、計6年$130,269,103(最終年の2014-15シーズンは$26,225,793)となります。オファー額は5年96ミリオンでしたが、どのような内容だったかもはや推測することの意味を失ってしまったので割愛。恐らくサンズがFAを狙いにいきたい2011-12シーズンのみ契約額を若干下げていたかもしれません(但し最後の2年が出場時間を条件とした保証留保つき契約だったので、通常通り一定の昇給だった可能性が高いです)。一方、ニックスの都合に合わせて「2010-11のサラリーを下げる」ということで言えば、サンズと契約した後サイン&トレードをすれば、契約総額を変えずに$15,867,769まで初年度のサラリーを削ることができます。
ニックスは現在サラリー総額が$18,637,294で、サラリーキャップが予想額どおりの56ミリオンになると、FAトップ3の誰かに大体16ミリオンと少しを使ったときに、サイン&トレードならミッドレベル例外条項に加えて更に6ミリオン近いキャップスペースを使って補強に乗り出すことができますので、ニックスとしてもサイン&トレードは「オイシイ」取引になります。見返りも恐らくデイビッド・リーの「両者サイン&トレード」とトレードエクセプション(勝手に発生するもので、ニックスとしては痛みはゼロ)か、単に二巡目指名権とトレードエクセプションならその価値は十分にあるでしょう。まぁサイン&トレードにしなくても5ミリオンと少しのスペースが残るのですが。。まぁいずれにしても、サンズとしてはトレードエクセプションを得ることができれば、トレードでかなりの補強をする余地が残ることになります。
何か尻切れトンボになってしまいましたが、遅いのでこの辺で寝ます。おやすみなさい~♪
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フライ残留決定!
Posted by placeinsuns : 2010/07/02
ドラフトの件を忘れているわけではありませんが、取り急ぎ報告まで。チャニング・フライが5年30ミリオンでサンズと合意に達した模様。先にAmir Johnsonがラプターズと5年34ミリオン、Drew Goodenがバックスと5年32ミリオンで合意に達しているので、モタモタしていると価格が釣りあがってしまうところでした。とりあえずひと安心。
これでアマレが消えても、キャップスペースはほぼなし。バル坊を指名権とトレードして見返りのトレード・エクセプションで大物FAをサイン&トレード、という計画もなくなりました。少しノビツキーとナッシュのコンビを見てみたかったのですが…キューバンが死んでも離さないであろうノビちゃんを狙いにいくより、フライと再契約したほうがはるかに無難でしょう。この契約額から考えるに、フライはミッドレベル例外条項を用いての契約になります。いくらかミッドレベルも残るでしょうが、恐らく1ミリオンと少しになるので大した補強はできません。因みにもう一人のFA、Louは2年間サンズに在籍しており、アーリーバード例外条項によりキャップを超えていてもミッドレベル近くまでは出すことがルール上は可能ですので、フライの契約が直接Louとの再契約に影響することはありません。もちろんアマレに大しては(言うまでもありませんが)ラリーバード例外条項によりキャップに関係なく最高額まで出すことができます。
しかしバックスもラプターズも何を考えているのでしょうか。サンズファンの偏見入りまくりですが、フライに対してだって5年30ミリオンはちょっとリスキーなのに、アミールジョンソンとグッデンに5年30ミリオンオーバー…一気にほかの選手もサラリー要求を厳しくしそうな予感。
ま、何だかんだ言いましたがとりあえず…Welcome back, Frye!!
Posted in News, Summer of 2010 | タグ: Agreement, Channing Frye, Phoenix Suns | 2 Comments »